世界を魅了した小野伸二の“魔法” 忘れらない名スカウトの証言「オノはマドリーでも100%プレーできた」
フェイエノールトの黄金期を支えた小野。最盛期の彼の名は世界に轟いた。(C)Getty Images
間違いなく不世出のファンタジスタだった。
9月27日、コンサドーレ札幌に所属する元日本代表MF小野伸二が、自身のインスタグラムで今季限りでの現役引退を発表した。奇しくもこの日は44歳の誕生日。文面に記された「相棒として戦ってくれた“足”がそろそろ休ませてくれと言うので」というメッセージも含め、好漢たる彼らしい発表となった。
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観る者を魅了する卓越した技巧と十八番の“ベルベットパス”に代表される非凡なサッカーセンスは、日本、いや世界で愛された。
1999年のワールドユースで準優勝に輝くと、2000年のシドニー五輪や2002年ワールドカップでも躍進の原動力となった小野。高原直泰や稲本潤一、遠藤保仁、中田浩二、小笠原満男ら、幾人もの名手を擁した「黄金世代」にあっても、彼の存在感は出色。まさに傑物と呼ぶにふさわしい選手だった。
そんな小野の最盛期がいかに凄まじかったか。それを物語る忘れられない証言がある。21年5月にオランダ公共放送『Rijnmond』の取材に応じた元フェイエノールトのテクニカル・ディレクターを務めたロブ・バーン氏のそれだ。
2001年の夏にオランダの古豪フェイエノールトへ移籍した小野は、後に同国の代表監督となるベルト・ファン・マルバイクの寵愛を受けた1年目から絶対的主力に君臨。UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)制覇に貢献するなど、クラブの黄金期を支えた。