神宮最終戦、ヤクルト・小川監督の仰天指令『阿部慎之助、申告敬遠』は是か非か?史上初の最高のリスペクト?
史上初の球史に残る、偉大な記録?
サプライズはここでも…。なんと代走に起用されたのは17年のドラフト1位右腕・鍬原ではありませんか。原監督は試合後、阿部の申告敬遠について「コメントできないね」と話しましたが、なんだかザワザワする展開でした。
試合は小川監督の執念が実り、延長10回に太田のサヨナラ打でヤクルトが勝利。自身最後の指揮を白星で飾りました。小川監督の試合後の談話は、このようなものでした。
「敬意を表さないといけないけど、選手たちの頑張りにしっかり応えないといけないと思った」
最下位はすでに確定している。しかし、チームを率いる立場にいる以上、消化試合といえども最後まで全力を尽くして、白星をもぎ取りに行くんだ-。そんな野球哲学が伝わってきました。
それでも世間の声は、ガチンコのタクトを称賛するものばかりではありませんでした。ネット上には「順位も決まっているのだから、阿部と正々堂々と勝負して、抑えればいいだけのこと。逃げていてはチームにとって、何のプラスにもならない」「プロ野球は興行でもある。チケットを買って見に来た少年少女のファンの『慎之助が見たい』という期待を裏切るような采配はいかがなものか」「個人成績も順位も決まっているのに、真っ向勝負をしないなんて寂しい」との声もあふれかえっていました。
肝心の阿部本人はというと…。試合後のコメントは、これぞ慎之助というものでした。
「オレらしいっちゃオレらしい。史上初の球史に残る、偉大な記録なんじゃないかな」
確かに、長い野球人生においてレギュラーシーズン最後の試合が「申告敬遠」というのは、強打者のままユニホームを脱ぐということの証明でもあります。思えば小川監督は千葉県出身、中大出身と共通項がある、阿部にとっては尊敬すべき偉大な大先輩です。
恐れられたまま、現役を退く。そんな最高のリスペクトが、小川監督の指令には込められていたのかもしれません。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]