高校サッカーからドイツへ――過酷な挑戦を決めた福田師王の“現在地” 今季出場40分に20歳の点取り屋は何を思う【現地発】

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限られた出場機会の中でもがく福田。(C)Getty Images

高校時代とは異なるプロの世界

 高校サッカーからブンデスリーガへ――。そんな夢物語を現実のものとしたのが、福田師王だ。

 鹿児島の強豪・神村学園にいた高校時代の福田は22年の全国高校選手権で3ゴールを記録して得点王となるなど異彩を放った。そしてティーンエージャーは、23年1月にドイツ・ブンデスリーガの名門ボルシアMGに加入。U-23チームから研鑽を積んでいく意向が発表された。

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 エポックメーキングな契約から2年の時が経った。U-19、そしてU-23でコンスタントにゴールやアシストという目に見える結果を残し続けた福田は、24年1月にトップチームに昇格。即座に試合に出られるほど簡単な世界ではないのはわかっている。それでも日々の練習やトレーニングマッチで、20歳になった日本人ストライカーへのチームメイトの評価も少しずつ高まっていった。

 とりわけボルシアMGの主力としてプレーする日本代表DFの板倉滉は、常に福田のことを気遣う一人だ。

 24年4月のフライブルク戦後のことだ。当時、チームの調子も芳しくなく、主力に欠場者が出ていた影響もあって、福田は遠征メンバーに入っていた。それこそ「スタメンの可能性もあるのでは」と報じる地元紙もあったが、結局は試合メンバーから外れた。

 その当時に「結果を残しているわけだから。練習試合で点もとっているし、練習からすごくいいコンディションでやっていた」と口にした板倉は、こう慮っていた。

「スタメンで出る、出ないは難しいところがあるかもしれないですけど、あれだけ調子のいい選手、練習試合で結果を出して若い選手が、メンバーに入りたいという思いでやっている中で入れて欲しかったなと」

 もっとも、指揮官が福田を気にかけていないわけではない。ジェラルド・セオアネ監督に「若手を起用するつもりがないわけではない。だがチームには出場時間をえるにふさわしい選手がいるのを忘れてはいけない」という話をしていたことがある。

 福田がいるのは高校時代とは異なるプロの世界だ。チームにいる選手は皆自身の人生をかけて戦っている。つまり同僚でありライバル。チーム内序列もある中で、結局は、選手と同様に結果を求められる監督に「起用しよう」と思ってもらえなければ、ピッチに立つことはできない。

 そんなシビアな環境で揉まれる福田だが、決して腐っているわけではない。デビューイヤーとなった23-24シーズンにブンデスリーガ5試合で途中出場を果たすと、今季も定期的にメンバー入り。70分からピッチに立った17節のヴォルフスブルク戦では、待望のトップチーム初ゴールを決めた。

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