過去10登板で11球だったのになぜ? 大谷翔平のカーブ多投の背景にある“グレードアップの兆し”を元MLB捕手が分析
レッズ戦での大谷は100マイルを超えるスピードボールとともに、緩いカーブも多投した(C)Getty Images
去る8月27日のレッズ戦で今季11度目の先発マウンドに立った大谷翔平(ドジャース)は、5回(87球)、被安打2、1失点、9奪三振の内容で749日ぶりの勝利を手にした。
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敵将のテリー・フランコーナが「素晴らしいの一言に尽きる。フィールド上だけじゃない。彼の存在自体が常識外れだ」と絶賛したパフォーマンスは、米球界でも小さくない話題となった。その中で大きくクローズアップされたのが、大谷の投球内容だった。
この試合で最速100.3マイル(約161.4キロ)の4シームを投げ込んだ大谷だったが、全87球のうち、カーブを26%にあたる23球も投球。右打者なら外角低め、左打者なら内角低めに絶妙にコントロールされたボールが、バットに当たったのはファウルを含めて2球だけ。直球との球速差もあってレッズ打線は翻弄された。
これまでの大谷は4シームを軸に、スイーパーとスプリットを多投していた。実際、このレッズ戦までの10登板でカーブを投げたのは、米データサイト『Baseball Savant』によれば、わずか11回しかない。そこから23球も投げたのはスタイルの変化を感じさせるものでもあった。
課題として持っていたというカーブの採用は、米解説陣の間でも注目を集めた。米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』のホストを務める元ホワイトソックスの名捕手AJ・ピアジンスキー氏は「いい傾向だと思う」と指摘。数多の好投手のボールを受けてきた経験から、新たな変化球に取り組む投手の心情を分析した。






