大谷翔平も狙われた“報復”は「必要ならやるべき」 怪我のリスクを生み、是非を問われる球界の不文律に米名将の「持論」とは?
ともすれば、現代野球にそぐわないとも言える“不文律”。無論、今回の騒動にはSNS上で「危険だ」「いい加減にこんなくだらない伝統はやめるべき」「うんざりする」といったファンの声が目立ったのだが、米球界の酸いも甘いも知る識者たちは好意的に捉えている。
かつてレイズやエンゼルスなどを指揮した智将ジョー・マッドンは、米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』において「ああいうことが起きるのは自分の経験上、“当然のタイミング”で起きるんだ」と説明。その上で「『狙ってくれ』とか『あいつにぶつけろ』と投手に頼む時は本当に慎重にならないといけない。適任の選手がいるんだ」と実情を告白しつつ、持論を続けている。
「もしも、自分のチームが攻撃されていると感じたら、やり返す必要はある。そういうことをとことん嫌う監督もいるがね。でも、私は誰が何を言おうと気にしないし、今の野球界で何が語られているかなんて関係ないと考えている。必要な時にはやるべきなんだ。もちろん、誰かの頭を狙うような投球は絶対にダメだ。太もも付近を狙うのがプロのやり方だ」
一方で百戦錬磨のマッドン氏は、報復を「仕方ない」とする不文律を受け入れない時代の変化も痛感している。
「今の時代、とくに野球界ではこういうやり方は受け入れられなくなっている。いろんなことが検証される時代だからね。両チームの選手が肩を並べて談笑してるなんてシーンは当たり前にある。でも、私はそういうことが試合から感情や情熱を奪っているんだとも思う。技術が介入すればするほど、感情ってものは薄れていく。正直に言って、批判的な傾向が強まっている今の球界の在り方は好きじゃないよ」
是非が問われて久しい球界の暗黙のルール。奇しくも注目のライバル対決で浮かび上がったその在り方は、議論の余地がありそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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