【現地発】二刀流完全復活の“舞台裏” 大谷翔平が明かした「心地よい投げ方」の正体とは? コーチ陣の言葉から読み解く
大谷は来季、さらに進化した姿を見せてくれそうだ(C)Getty Images
ドジャースの大谷翔平が工夫と改善を重ね、結果につなげるのは今に始まったことではない。2度目の右肘手術から復帰した2025年シーズン、それは如実に表れていた。
投球フォームの見た目として分かりやすい変化が、走者なしからセットポジションではなく、ノーワインドアップで投げるようになったこと。ワールドシリーズ連覇を成し遂げたシーズン終了後、大幅な変更の経緯を明かした。
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「TJ(トミー・ジョン手術)明けで、そもそも細かいコマンド(制球)力がちょっと低下する傾向があるので。それは1回目の手術の時も感じていましたし、リハビリの過程の中でも感じてはいたので。なら、楽に球速を上げる方にシフトする方が今年はいいかなと思って」
制球を重視すれば、球速減にもつながる可能性がある。だが、大谷は手術を重ねても、100マイル(約161キロ)を投げられるパワーピッチャーというスタイルを崩すつもりはなかった。1度目の手術でも同じマインドで、むしろ2回とも「もっと強くなること」を目指して、リハビリを継続してきた。一方で、1度目は復帰してからしばらく、制球に苦しんだ。課題を改善しながら、球速を下げない。そのための一環として、大幅なフォーム変更を取り入れた。
全体的な四球率は大幅に下がった。手術明けで臨んだ20年シーズンの2試合と、21年シーズン前半戦は制球難が顕著で、年をまたいで約半年の間に合計15試合、68回2/3で四球率(1試合当たりの与四球数)は5.6。死球は6個だった。2度目の手術明けとなった25年シーズンは14試合、47イニングで同1.7に改善され、死球数は0だった。
さらに「各イニングの無死走者なし」で条件を絞ると、1度目の手術明けは、同期間で四球数7に対し、2度目は0。「立ち上がりの初回、先頭打者」に限っても、15試合の先発で4度の四球が、25年シーズンは14試合で0。工夫の成果が表れていた証拠だった。





