“純然たるDH”に「簡単な仕事」の指摘も…50-50の偉業が迫っても大谷翔平のMVP論争が続くワケは指標の仕組みに
「今のオオタニを否定することは難しい」の声も
無論、大谷を評価する意見もある。すでに史上初の「43-43」を達成し、さらに記録を伸ばそうとする打棒は、相当なインパクトがあるためだ。米メディア『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者は、「肘の大手術からの回復を図るオオタニは今シーズン、エリートクラスの先発投手として守備面でプレーしていない。しかし、彼はどの選手よりもはるかに優れた攻撃面でMVPの最有力候補だ」と一石を投じている。
「今のオオタニはユニークなケースを作っている。史上6人目の40-40プレーヤーとなっている。偉業達成の裏には6月16日に左手を骨折して約2か月欠場したチームメートのムーキー・ベッツに代わって1番打者に入ったことでより走力をもたらすようになった。MLBは、昨シーズンに盗塁を促進させるルール変更(ベースの拡大とプレートを外せる回数の規制)を行ったが、これまで50-50に達した選手はいない。彼が歴史を作りそうな状況だ。
2022年にはオオタニが打者として34本塁打でOPS.875、投手として166イニングで防御率2.33の成績を残したにもかかわらず、アーロン・ジャッジがシーズン最多記録となる62本塁打を放ったため、彼を(MVP争いで)否定するのが難しかったのと同じように、今のオオタニを否定することは難しいだろう」
娯楽性の尽きないMVP論争は果たしていかなる結末を迎えるか。もしかすると、大谷が史上初の「50-50」という大記録を残した瞬間に決するのかもしれない。いずれにしても、その行く末をワクワクしながら見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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