球団幹部が否定しても続く大谷翔平の投手復帰論争 異を唱えるMLB名捕手が語る「データ派が分かってない」理由とは
ただ、通常は復帰までに約19か月を要するとされている手術による影響を考えても、迫る短期決戦での登板は非現実的と見るのが妥当ではある。
実際、異論も飛んでいる。2005年にホワイトソックスのワールドシリーズ制覇に貢献した名捕手AJ・ピアジンスキー氏は、共演していたブラウン氏に「彼の遺産だって? 彼のか? チームの遺産は一体どうなるんだ?」と反発。「ロバーツも『いや、ショウヘイ、チームのことを考えてくれ』と言うよ」と続けている。
「そもそもショウヘイは勝ちたいから絶対にそんなことを監督に言わないさ。ましてや『自分の遺産』なんてありえない。それにドジャースがワールドシリーズまで勝ち進んだら、ブルペンに調子が良い投手がいるということでもある。その流れを壊したくないはずだ。データ派の人間はその辺が分かってない」
さらにピアジンスキー氏は「いいかい? 監督、GM、社長、オオタニの執刀医も『ポストシーズンで投げるべきじゃない』って言っているんだ。仮に本人が投げたいと言って、やる気でも1対4だ。誰が決定すると言うんだ。ノーチャンスだし、ロールプレイングゲームをやってるんじゃないんだ」と語気を強めた。
それでもブラウン氏は「僕なら自分の肘を怪我したとしても投げるさ。もしも、投手としてオオタニが来年も投げられないとしてもワールドシリーズに勝てるなら賭ける価値があるはずだ」と反発。これにはピアジンスキー氏も呆れっぱなしという様子だった。
あらゆる情報や現状を精査する限り、大谷の今ポストシーズンでの投手復帰は非現実的と言えるが、果たして――。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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