打者専念の大谷翔平は数字をより伸ばすのか 不安な過去2年のデータと追い風になる重要な要素とは
さらに、純粋に追い風として働きそうな要素もある。それが本拠地がエンゼルスタジアムからドジャースタジアムへ変わる点だ。
メジャーリーグでは打者有利、投手有利といった具合に球場の特色が出やすい。それらは実際に数値化もされている。公式データサイト『baseball savant』によれば、今季まで3年間の平均データで最も打者有利の「バッターズパーク」は、ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドで数値が112。この数字は100を最も平均的な球場として、本塁打や安打の出やすさがプラスされて決まる。投手有利の球場なら数字が100よりも減り、最も投手有利なマリナーズのTモバイル・パークは92である。
エンゼルスタジアムは、最も平均的な球場にあたる100。ドジャースタジアムもほぼ大差ない99となっている。だが、これを本塁打に限ると、ドジャースタジアムは122で、131のレッズの本拠地グレートアメリカン・ボールパークに次ぐメジャー2位。エンゼルスタジアムも112で5位と本塁打が出やすい環境にはあったのだが、それを上回る「ホームランパーク」なのである。
大谷の2度の手術の執刀医であるニール・エラトロッシュ医師は、『ロサンゼルス・タイムズ』紙の取材に「彼は打撃の際に、肘の故障部位に全くストレスがかかっていない。だから靱帯を損傷した後もホームランを重ねた。これは右投げ左打ちだから可能なことで、右投げ右打ちでは難しかっただろう」と答えている。リハビリ過程にある右肘に、打撃はダメージを与えないと保証。打撃への影響についても否定してみせた。
常に投打二刀流としてプレーしてきた大谷にしてみれば、打者一本に専念することは必ずしもプラスではないのかもしれない。それでもホームランバッターに有利な本拠地や、何より2021年以降に積み重ねてきた実績は別物。来季、数字をより伸ばすことができるか。答え合わせは1年後だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】仏紙も「恨むはずがない」と絶賛 大谷翔平のポルシェ贈呈に広まる反響!「信じられないほど賢い行動」
【関連記事】“消極的だった”ドジャースが異例の受諾 大谷翔平の超巨額契約にトレード拒否権が付帯された理由とは?
【関連記事】「狂った金額だ」韓国メディアが大谷翔平&山本由伸に「10億ドル以上」を投じたドジャースに驚愕 両選手の不安材料も指摘