中日・岩嵜翔がトレードでオリックスへ 3年半の在籍で「残したもの」とは?
岩嵜の新天地での活躍を祈りたい(C)産経新聞社
中日・岩嵜翔のトレードが決まった。移籍先はオリックス、交換選手はおらず金銭での対応だという。
交流戦前最後のカード・巨人戦の初戦を直前に控えた、5月30日16時に発表。直後からファンの戸惑いや感謝の声が各所で溢れていた。
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■移籍後初登板で右肘を痛め、TJ手術へ
岩嵜が中日にやってきたのは2021年オフ。又吉克樹のFA移籍に伴う人的補償での加入だった。
ソフトバンク時代は当初先発として期待されるも、リリーフ転向後に才能開花。高卒10年目の2017年に最優秀中継ぎを獲得した。150キロを優に超える快速球と落差の大きいフォークで、三振を多く奪ってきた。
これだけのキャリアがあるだけに、移籍当初から岩嵜への期待は大きかった。2022年の開幕第2戦、東京ドームでの巨人戦(3月26日)で移籍後初登板。2点リードの8回ということで、セットアッパーとしての登板だ。この時、先頭のグレゴリー・ポランコ(現ロッテ)にストレートの四球を与えて降板しているが、投球練習の時点で右肘に違和感を覚えていた。ここからが長い道のりだった。
半年間のリハビリを経て、2022年9月26日、右肘のトミー・ジョン手術を敢行。治療専念のため、同年オフに育成契約へ移行。23年シーズンは全休となった。
■加入4年目の初勝利に涙
迎えた2024年は春季キャンプ中から実戦復帰。150キロ以上の剛球が戻っており、2軍で好成績を残したのち、6月4日に支配下返り咲きを果たした。翌日のソフトバンク戦(バンテリンD)で3シーズンぶりの1軍登板。古巣ファンを含め場内は大きな拍手に包まれた。
8月3日の広島戦(マツダ)では球団日本人最速(当時)となる158キロをマーク。シーズン全体で21試合登板、防御率5.85だったが、復活の一歩を刻んだ。
今季は開幕1軍メンバー入り。4月1日、巨人との本拠地開幕戦で同点の7回を無失点に抑え、裏に決勝点が入ったことから、移籍後初勝利を記録した。お立ち台に立った岩嵜は「ドラゴンズに来て何もできていなかったので……」と涙。竜党のもらい泣きを誘った。
その後3試合に登板し、4月28日の抹消以降はファームでの調整が続いていた。5月に入ってから1週間に一度のペースで投げ、計4イニングで6奪三振。格の違いを見せていた。






