【阪神】村上の完全試合を阻んだもの 「指揮官が漏らした本音」とは
岡田監督も難しい判断を迫られた。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
12日の巨人・阪神戦(東京ドーム)。阪神が延長10回に近本光司の決勝打で2-1と勝負を決めた試合となったが、大きく注目を集めたのは阪神の継投だった。
先発した村上頌樹投手が7回84球を投げ、無安打無失点、無四球と、巨人打線に一人の走者も出さず、パーフェクト投球を続けていた中、8回の打席で岡田彰布監督は代打を送る。この交代劇をめぐって、賛否両論の声が飛び交っている。
【動画】7回までパーフェクトピッチングを見せた阪神、村上。2回に智弁学園の先輩、岡本和真から三振を奪ったシーン
今季でプロ3年目を迎える村上はゆったりしたフォームからキレ味鋭い投球で巨人打線を封じ込める。初回をわずか8球で終えると、2回先頭では智弁学園の先輩でもある相手4番の岡本和真に対し、高めの直球で空振り三振に斬って取る。打線は4回にノイジーの一発が飛び出し、1-0と緊迫した空気の中、大記録達成まであと6人となった場面で岡田監督は交代を告げ、ドーム内にどよめきが走った。
この交代劇にはSNS上でも「せめてヒットを打たれるまで投げさせてほしかった」「続投させるべきだった」「岡田監督の考えも理解できる」など、賛否両論の声が飛び交っている。
試合は8回から継いだ石井大智が代わりばなとなる先頭の岡本和に一発を浴びて、1-1の同点に。延長10回に出た近本の決勝打で2-1と巨人を下したが、後味の悪さが残った。
試合後の岡田監督はテレビインタビューで継投の場面について「勝ったから良かったようなものの、頭の中はずっとね、完全試合いけたんかなって、それは片隅に残ってました」とぎりぎりの判断だったことを認めた。最終的には「後ろの勝ちパターンのピッチャーで、みんなで完全試合というのも頭をよぎった」として、阪神が誇る勝利の方程式で僅差のゲームをものにしようとしたと語った。