【第3回】武田翔太がソフトバンク14年で得たもの――「当たり前を当たり前に」と、マッチの“笑え”サイン
実際、近年の主力となった育成出身の投手や捕手たちの姿勢を、武田は間近で見てきた。
「千賀さん、甲斐さん、牧原さん……育成から上がってきたメンバーは、昔から本当に自分で考えてトレーニングしていました。やるべくして上がってきた人たちだと感じます」
自身は、後輩たちへの接し方にも一つのスタンスを貫いてきた。
「僕は朝から自分のやることが多いタイプなので、基本は少し離れたところから全体を見ている感じです。『この選手はこういうタイプだから、こうした方がいいかもな』と思うことはありますけど、こっちからは絶対に言わないようにしていました」
理由を尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「聞いてもないのに言われたら、うざいじゃないですか(笑)。僕もそういうのはあまり好きじゃないので。だから、向こうから聞かれた時だけ、『こう思っているけど、言ってもいい?』と確認してから話すようにしていました。彼らの人生なので、それを邪魔するようなことはしたくないんです」
韓国でも、基本的なスタンスは変えないつもりだという。
「僕はコーチではなく選手なので、コーチの領域には踏み込まないです。ただ、選手同士で聞かれたことに関しては、自分のわかる範囲で伝えていこうかなと思っています」
常勝軍団で培った「当たり前を積み重ねる力」と、距離感をわきまえた後輩との向き合い方。そのベースは、新天地でもきっと生きてくるはずだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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