なぜNPB未経験の18歳と契約したのか ア軍GM補佐が語った森井翔太郎獲得の背景「最も注目したのは揺るぎない願望」
異例のメジャーリーグ挑戦を決めた森井(C)産経新聞社
特大のポテンシャルを秘める若武者は、米球界でも垂涎の的となった。現地時間1月15日にアスレティックスとの契約が発表となった森井翔太郎だ。
今春に桐朋高校を卒業する森井は、NPBを経ずにメジャーリーグに挑戦する異例の決断を下した。マイナー契約ながら契約金は150万ドル(約2億3700万円)で、NPBを経由しない日本人のアマチュア選手に支払われた金額としては史上最高額。昨オフのNPBドラフトで指名を受けたどの選手よりも高い規模であり、まさに夢の第一歩を踏み出したと言えよう。
【画像】「二刀流」森井翔太郎がアスレティックスとマイナー契約 球団が投稿した実際の写真
もっとも、高い評価を受けたのは本人の身体能力の高さゆえだ。高校時代に二刀流を貫いた森井は、打っては通算45発をマーク。投げても153キロを計測するなどポテンシャルの高さは折り紙付き。甲子園出場経験こそないが、昨夏の西東京大会は日米14球団のスカウトが集結し、話題性も十分にあった。
15日の記者会見で「偉大な選手になるという夢を追い続けたかった」と語った森井は、ドジャースなど強豪球団との面接を重ねた。その中で最終的に契約を勝ち取ったのは、いわゆる「スモールマーケット球団」のアスレティックスだった。
アスレティックスの資金力は乏しく、お世辞にも「常勝軍団」というわけではない。それでも3年以内のメジャー昇格を目標に掲げる本人の思いと合致しての契約締結だった。
無論、アスレティックス側は森井の才能に魅了されてのゴーサインだった。GM補佐を務めるダン・ファインスタイン氏は、米スポーツ専門局『ESPN』などで「彼は非常に才能のある選手で、遊撃手と投手の両方をこなせるだけの高い運動能力と機動力を持っている」と絶賛。その上で獲得に至った背景を明かしている。
「我々がショウタロウの身体能力以上に、最も注目したのは、野球に対する彼の情熱と、日本の次世代の偉大な選手の一人になりたいという揺るぎない願望だった。そして我々は彼がアメリカでプレーすることを強く望んでいることは分かっていた。その中で彼のことを『二刀流の選手』として評価しているという点が、アピールポイントとなったことは間違いない」