「未来ばかり追いかけるのはやめた」網膜剥離、人工関節…過去の苦難を「心の筋肉」に 難病と生きる大山峻護がたどり着いた「想像を超えた未来」
久しぶりの全力疾走は「言葉にできない」ほどの喜びだったという
「今」を味わう人生へ
――難病とは思えないほど、本当にアクティブに過ごされていますね。
いい意味で力が抜けて、今はすごく生きやすいです。体を鍛えたりとかはできなくなって、最初は昔の自分と比べていましたが、だんだんと今の自分を受け入れられるようになりました。
――生き方や心境に変化はありましたか?
昔は強烈に目標達成ばかり追いかけていましたが、それはどこか虚しかった。美味しいカレーライスを食べながら、次に食べるステーキのことを考えているようでした(笑)。未来ばかり追いすぎることで、「今」がおざなりになってしまうんです。
「満足は成長を止める」と言われますが、そうではないと思うんです。今は、ちょっとしたことにも幸せや満足を感じられることの方が、人生は遥かに豊かになると確信しています。現役時代に「夢を形に」という生き方はやり切ったからこそ、これからは今という瞬間を丁寧に味わっていきたいですね。そのことが結果として素敵な未来の景色につながると信じています。
――12月には個展の開催と著書『ご縁つなぎの法則』の発売も控えていますね。
本当に人生が大きく変わった一年ですね。個展では100作品以上を飾り、イベントも企画しています。出版も個展も、すべて今までやってこなかった経験です。一年前には考えられなかった世界。本当にいろいろな方とのご縁のおかげだと感謝しています。
――最後に、改めてこの一年を振り返ってください。
改めて実感するのは、格闘技時代にもがき、泣き、味わったすべてのつらい経験が、今の僕を支える「心の筋肉」になっているということです。過去の財産があったからこそ、難病と言われても正面から受け止めることができたと思っています。ちゃんと受け止めて前に進もうとしている自分がいることが嬉しいですし、自信になりました。これからも過去の自分や支えてくれている人たちに感謝しながら、1日1日を大切に、満足して生きていきたいですね。
個展「大山峻護の世界」
開催日:2025/12/15(月)〜21(日)
開催会場:in the house Mejiro"Attic"
豊島区目白3-1-34 2階
アクセス:JR山手線目白駅徒歩3分
開催時間:13:00〜20:00(イベント開催時の変更があることがございます)
最終受付時間:19:30
入場料無料
著書「ご縁つなぎの法則」
株式会社ヴォイス
2025/12/17発売
【著者プロフィール】
大山峻護(おおやま・しゅんご)
1974年4月11日生。5歳で柔道を始め、全日本学生体重別選手権準優勝、世界学生選手権出場、全日本実業団個人選手権優勝という実績を持つ。2001年、プロの総合格闘家としてデビュー。同年、PRIDEに、2004年にはK-1・HERO‘Sにも参戦。2012年ロードFC初代ミドル級王座獲得。引退後は、その経験から得た学びをもとに、講演やメディア出演、表現活動などフィールドを広げ、人と人をつなぐ活動にも力を注いでいる。2025年12月に個展「大山峻護の世界」を開催。著書に『ご縁つなぎの法則』(株式会社ヴォイス)。
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