本塁打激減、視聴率低下…withコロナの「特別な甲子園」の問題点と可能性とは
◆温度差
今大会の位置付け、熱量が各校で違いすぎた。下級生含めたベストメンバーで臨むチームもあれば、「思い出作り」に控えの3年生を起用するケースも。明豊(大分)はベンチ入りメンバー20人全員を出場させた史上初のチームとなった。
各都道府県で行われた独自大会の変則日程も影響している。3年生にとって「甲子園が最後」にならず、交流試合を終えた後、地元に戻って県独自大会初戦に出場した花咲徳栄(埼玉)のようなチームもある。夏の甲子園中止を決めた日本高野連は、地方独自大会への開催指針を示さず、各都道府県に「丸投げ」した結果、日程がバラバラになり、条件面や直前の調整で大きな格差が生まれた。
◆視聴率低下
NHKやテレビ朝日系など、放送した各局とも例年より視聴率を落とした。履正社-星稜、大阪桐蔭-東海大相模など、決勝戦でもおかしくないような好カードが組まれたわりには、盛り上がりに欠けた。勝っても負けても1試合では勝敗への興味が薄れ、スタンドはガラガラで、独特の応援や鳴り物もなく、球場全体から熱気が伝わってこない甲子園は魅力が半減した。
◆with(ウィズ)コロナ
プロ以外のスポーツ界での自粛ムードを転換すべく、今大会を開催した日本高野連は「この先もwithコロナが続くかもしれない社会で、どう大会を開いていくべきか。今回の交流試合が指針となれば。いつまでも『できない』と、何も考えずに前へ進まなければ未来はない。批判は覚悟の上」(関係者)。先行き不透明なコロナウイルスとの共存も見据え、大きな1歩を踏み出した。
向き合うべき多くの問題点とともに、酷暑で熱中症の症状が出た選手もおり、炎天下での開催など以前からの課題も解消されていない。ただ、もっとも心配された選手への感染なく、大会を無事に終えた。新しいモデルケースとしての可能性を示す「特別な甲子園」となった。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]