本塁打激減、視聴率低下…withコロナの「特別な甲子園」の問題点と可能性とは

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 1試合限定、「特別な夏」の甲子園大会が幕を閉じた。春の選抜高校野球に出場できなかった32校への救済策として、8月に16試合が行われたが、何もかもが異例づくし。新型コロナウイルスの脅威が続き、賛否両論あるなかでの高校野球界の挑戦を振り返った。

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◆16試合でわずか3本塁打
 今大会は本塁打数が3本と激減した。1本はランニング本塁打で、フェンスオーバーした打球は2本しかない。17年は48試合で大会最多68本塁打。18年は55試合で51本塁打、19年は48試合で48本塁打。近年の「本塁打量産」傾向とまったく違う結果になった。

 かといって投高打低だったわけでもなく、1人の投手が完封したゲームもない。要因の1つはコロナ禍による実戦不足。試合をこなすことで急成長する春から夏の時期にかけて、部活動禁止に追い込まれた。プロ注目と前評判の高かった選手が、物足りなく見えたのも、その影響があるかもしれない。

◆リモート応援合戦
 日本高校野球連盟(高野連)が感染対策を徹底。移動は原則公共機関を使わず、遠方でも長距離バス移動。プレーヤー以外は、真夏のベンチでもマスク着用。試合後の校歌斉唱は、隣人との間隔を開け、大声はNGだった。恒例だった「甲子園の土」持ち帰りも禁止された(後日、お土産としてプレゼント予定)。

 原則無観客で、観戦者は部員、家族、関係者など限られた少数のみ。声を出しての応援禁止で、拍手の音が目立った。応援規制のあるなか、大阪桐蔭-東海大相模では、両校の応援団、吹奏楽部らが体育館に集まり、動画配信による「リモート応援合戦」という新しい試みも生まれた。





◆勝っても涙
 「負けて涙」が甲子園の風物詩でもあるが、1試合しかない今大会は「勝って涙」のシーンも目立った。1度は断念した夢舞台が用意された球児には、かけがえのない宝物になった。一方で、心から喜ぶ姿が少なかったのは、高校スポーツ界には大会に出られず、涙をのんだ同世代の存在。高校野球だけ「特別扱い」と嫌みを言われたり、いやがらせを受けた選手もいる。

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