24年前の甲子園準V投手が語る「今年の星稜は24年前の決勝と深く繋がっている。だからこそ涙が溢れる」
山瀬捕手のお母さんは山本省吾さんの星稜高校の同級生
投手・奥川、捕手・山瀬。
三浦監督の指導の下、彼らは見事に中学で全国制覇を果たすのです。そして選んだ進学先はともに星稜高校だったのです。
「山瀬君は三浦さんの弟さんの教え子。さらに山瀬君はお母さんは僕の星稜時代の同級生。ソフトボール部でキャッチャー。お母さんも捕手。息子さんも捕手なんだよ」
山本省吾さんのこの話を聞いてこれぞ高校野球、これぞ甲子園だと実感しました。
山瀬捕手は母と同じポジションを選び、母と同じ高校を選び、導かれるように奥川投手とバッテリーを組みました。偶然ではなく必然かもしれません。
もしかすると小学四年生からバッテリーを組んできた二人が甲子園の決勝の舞台に立つのは24年前のあの日、あの時から繋がってきた当時の星稜高校生の思いが具現化された形なのかもしれません。
これぞ高校野球
地元の高校を選び、地元の指導者にお世話になり、地元の選手たちとプレーすることを選んだからこそ生まれるドラマ。そして新たに刻まれる歴史。
勝っても負けても泣ける。なぜならプレーする彼らのバックボーンは地元とOB、OGと、そして親を含めた家族と繋がっているからこそ。
これぞ高校野球。人生を感じた今年の星稜高校であり決勝の舞台。
150キロを投げる怪物、打撃技術が上がり本塁打を量産する高校球児たちのパフォーマンスとはまた違った側面の垣間見ることのできる高校野球。
やはり甲子園大会は文化である。
地元の絆、家族の絆、母校愛、様々な側面が凝縮されている。
101回目の夏の甲子園も教えてくれるものが多くありました。
山本省吾さん、大いに泣いて下さい。24年前の涙とはまた違った味の涙を流されることだと思います。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文:田中大貴]
田中 大貴 (たなか・だいき)
1980年4月28日、兵庫県小野市生まれの39歳。小野高では2年から4番で打線の主軸を担った。巨人・高橋由伸監督にあこがれてか慶應義塾大学 へ。4年春に3本塁打でタイトルを獲得。フジテレビ入社後は主に報道・情報番組とスポーツを担当。「とくダネ!」「すぽると!」ではバンクーバー五輪、第2回WBC、北京五輪野球アジア予選、リオ五輪キャスターなど様々なスポーツイベントを現地からリポートした。