「差は明らかだった」肋骨と心を折られた英雄が払った代償 エストラーダ母国メディアが天心戦に嘆き「TKO決着は議論の余地も、言い訳の余地もなかった」
棄権は「冷静な判断」。35歳のレジェンドが失ったものとは――
天心の打撃ではなく、試合巧者ぶりにフォーカスした同メディアは、「開始直後から差は明らかだった。ありとあらゆる動き、そして展開の読みもすべてにおいて一歩先を行っていたのは、ナスカワだった」と指摘。「7回を迎えた頃には、もはやアステカ戦士の足は反応しなくなっていた。そうした流れの中でナスカワは今を生き、エストラーダは過去にすがるように生き残ろうとしているように見えた」とも伝えた。
また、エストラーダ本人が切り出し、陣営が決断した棄権という選択を「冷静な判断だった」とドラスティックに分析した『Medio Tiempo』は「時として、最も勇敢な決断となるのは、戦い続けることではなく、止めること。9ラウンドのTKO決着には、議論の余地も、言い訳の余地もなかった」と回想。そして、力なく敗れた元世界王者にとっての敗北の重みを記している。
「試合後、リングサイドに座り込んだエストラーダは荒く息を吐きながら、ただただ虚空を見つめていた。その姿はただ負けた男というよりも、聞きたくなかった事実を悟ってしまった男のようだった。35歳にして、彼はただ敗れただけではない。気力を失ってしまったのだ。もはやどんなトレーニングを重ねようと、簡単に取り戻すことはできないものだ。
彼は同世代屈指の選手だった。知性があり、技術に優れ、洗練されていた。大声をあげて相手を威嚇することもなく、圧倒的な存在感で相手をねじ伏せるタイプのチャンピオンだった。しかし、この東京という舞台で、歳月が容赦なく彼に襲い掛かった」
まさに人生を懸けた決戦だった。ゆえに敗れた者にとって、そのダメージは計り知れないものとなる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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