「今の打ち方だったら何回やっても打てない」――佐藤輝明に飛んだゴジラ松井の“檄” 今春に打率7割の大砲は完全開化なるか
さらなる飛躍が期待される佐藤。そのパフォーマンスには阪神の浮沈がかかっている。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
レジェンドからの言葉は、実に鋭く、真っすぐだったのを記憶している。
それは、プロ2年目の22年シーズン、苦心の時を過ごした阪神の大砲・佐藤輝明に向けて、日米通算507本塁打を放った松井秀喜氏が放ったものだった。
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乱高下を繰り返したシーズンだった。ルーキーイヤーから2年連続2桁本塁打(20本塁打)を達成したものの、調子の浮き沈みが激しい1年でもあった。そうしたなか松井氏が檄を飛ばしたのは、シーズン終盤に迎えたヤクルトとのクライマックスシリーズファイナルステージの第1戦だった。
敵地・神宮球場に乗り込んだ一戦で「6番」で先発起用された佐藤は、4打数無安打、それも3三振と散々たる内容に終始。相手バッテリーの術中にハマり、ゾーン内の甘い球を見逃し、高めのボールゾーンに抜けた釣り球を振ってしまうシーンが悪目立ちした。
無論、ヤクルトの対策が見事ではあった。しかし、先述のそれは悪循環に陥ると途端に精彩を欠くという佐藤のルーキーイヤーから見られたお馴染みの光景でもあった。そこで松井氏はズバッと問題点を指摘した。
この日にゲスト解説に招かれていた百戦錬磨の大打者は「やっぱり見極めをちゃんとできるか、できないか」とポツり。虎の拙攻を招いた佐藤の打撃を手厳しく論じた。
「やっぱりホームランバッターは四球が増えないと。そうしないと率も上がらない。慣れも必要でしょうけど、考え方というかアプローチも大切。今の打ち方だったら何回やっても打てない。ピッチャーの一人ひとりに対する対策が必要になりますよね」