タイブレークの悲劇、「強制降板」で最後の夏が終わった…
投手が『強制降板』させられ、高校球児の夏が終わった。昨年から適用されているタイブレーク制度が、悲劇を招くことになるとは…。
タイブレークの悲劇
23日に行われた全国高校野球選手権の高知大会2回戦。高知東-高知高専の試合は、新ルール導入後、最長となる延長16回の末、1-8で高知高専が敗れた。
試合は両先発投手が15回まで力投したが、「1人の投手が1試合で投げることができるイニングは15回まで」という規定により、両チームとも投手を交代。高知高専はリリーフ投手が16回に大量7点を失い、涙をのんだ。
手に汗握る投手戦は、思わぬ形で結末を迎えた。1-1の12回で決着がつかず、タイブレークに。13回から無死一、二塁で始まる攻撃でも、なかなか得点が入らない。「1試合15回まで」規定が初適用され、投手交代した16回に試合が動き、高知高専は力尽きた。
先発の岩室響投手(3年)は人生最多234球を投げ「16回以降も投げたかった。まだまだいけました。ルールとはいえ、悔しかった」と言えば、長田昌太郎監督は「本人が断念するまでいかせるつもりでした。(相手投手も交代して)お互いさまですが…。最低3~4人は投手を作らないと。でも簡単じゃない。うちには野球できる子がいない」と嘆いた。エースと控え投手との差が大きいチームには、タイブレーク制度が長引けば長引くほど不利になる。
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