あり?なし?阪神・岡田監督が禁止提言のドラフト1位指名公表、各球団の狙いと渦巻く駆け引きとは
そしてもう1つ、競合球団を減らすことの延長線にあるが最大の狙いは「一本釣り」。前述の通り昨年は事前に9球団が1位指名を公表していたが、いずれも異なる選手だった。指名候補選手たちの人気が「割れた」場合には、こうした一本釣り狙いが功を奏することがある。実際に日本ハムが日体大・矢澤宏太、中日が沖縄大・仲地礼亜、広島が苫小牧中央・斉藤優汰、西武が早大・蛭間拓哉、ソフトバンクが誉・イヒネ・イツア、ヤクルトが東芝・吉村貢司郎、オリックスが白鷗大・曽谷龍平の一本釣りに成功した。高松商・浅野翔吾の1位指名を公表していた巨人は、阪神との2球団競合となったがくじ引きで勝利。立大・荘司康誠1位指名を公表していた楽天もロッテとのくじ引きに勝利し、結果的に1位指名を公表していた9球団が全て、意中の選手との交渉権を獲得した。
では今年のケースはどうか。今秋のドラフト会議は、大学生の即戦力投手が豊作と言われている。特に東都大学リーグには前記の常廣だけでなく、同じ青山学院大の下村海翔、東洋大・細野晴希、中央大・西舘勇陽、亜細亜大・草加勝、国学院大・武内夏暉らが高い評価を集め、いずれもドラフト1位候補に挙がる。ある意味、人気は「割れた」状態で当日を迎えることになりそう。残り10日となり、一本釣り狙いの1位指名公表は続くのか、それとも各球団鳴りをひそめるのか。他球団の動向もにらみながら、発言一つでも熱い駆け引きはもう始まっている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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