「誰もが認める、納得できる4番」を作り上げた妙 阪神に悲願の日本一をもたらした岡田采配はやはり凄かった
もともとクリーンナップを打てるだけのポテンシャルは大山にはあった。それを「誰もが納得できる4番」として1年、全143試合、フルイニングをかけて成長させた効果は、オリックスとの頂上決戦でも発揮された。
決して背番号3の調子は芳しくはなかった。それでも岡田監督はシーズンと同様に4番として起用し続けると、シリーズ打率1割台と抑え込まれていた第4戦では値千金のサヨナラタイムリーヒットを記録。これで吹っ切れたのか。大山は、優勝を懸けた第7戦でもダメ押しのタイムリーをマーク。7得点を挙げた打線の勢いを加速させる役割を見事に担った。
それこそ現役時代にはいずれも球史に残る名スラッガーであるランディー・バースと掛布雅之とともにクリーンナップも打った。そのなかで阪神の中軸を打つ酸いも甘いも学んだ。だからこそ、岡田監督は忍耐強く大山を4番として据えたのだろう。
無論、指揮官の意図を汲み、それに応えた大山本人も見事だ。しかし、最後の最後まで「そらそうよ」と、どっしり構え続けた指揮官にチーム作りの妙を見た。
ジェフ・ウィリアムズ、藤川球児、久保田智之による鉄壁の投手リレーを構築した第1次政権と同様に、岡田采配はやはり凄かった。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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