エラー数ワースト2位でも阪神が首位快走する理由は?「数は意識していない」という“名将”岡田の意識改革にあり
岡田監督は昨年のインタビューで「負けるとエラーの数とかもクローズアップされる。だから数の意識はしてない」と語っていた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
猛虎の勢いが初夏の訪れとともに増している。5月28日に本拠地・甲子園球場で行なわれた巨人戦で阪神は4-1と勝利。苦汁をなめてきた伝統の一戦で約5年ぶりのスイープを決めた。
岡田彰布監督は、5月の成績を出来すぎだと、珍しく自軍を褒めた。それも無理はない。怒涛の8連勝を決めたチームは、5月30日から始まる交流戦を前にセ・リーグ首位を堅持。貯金17と最高の状態にある。
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好調の要因はさまざまに挙げられる。が、やはり肝となっているのは守備陣の安定ではないか。開幕9連敗など散々だった昨季はリーグ最低となる86個のエラーを記録。12球団トップのチーム防御率2.67を記録していただけに、岡田体制が発足する前から守備陣の安定こそが再建のカギと見られてきた。
もっともエラー数が激減しているかと言えばそうではない。開幕から約2か月時点でのスモールサンプルに過ぎないが、28日時点での26個は中日(35)に次ぐリーグ2番目に多さである。
それでも今季の阪神はエラーが敗戦に結びつかない。27日の巨人戦では、スコアレスの4回2死無塁の局面で今季から二塁手にコンバートされた中野拓夢がイージーなゴロを弾いて、出塁を許した。だが、先発の大竹耕太郎が後続の長野久義を1球で打ち取って、不穏な空気を断ち切ったのである。このシーンに代表されるように、いわゆる「適時失策」は4月20日広島戦(甲子園)の8回に大山悠輔が記録しただけ。ミスが致命傷になっていないのは明らかである。