岡田彰布監督が「そら楽よ」と漏らした再浮上のカギは? 阪神・連覇への分岐点は、ズバリ「3点」

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“秘密兵器”となり得る28歳左腕の復活

 試行錯誤が続く中で、得点力をどのように向上させていくのか。前半戦を終えて1ケタ本塁打にとどまる佐藤輝、再昇格後は復調気配を見せる大山、そして19日に再昇格を果たした森下の開幕クリーンアップが“再結成”されることこそ、チーム復調の近道のように思える。

 ここまで安定感を維持してきた投手陣も夏場は疲労の蓄積が考えられる。そんな時に打線がどれだけカバーできるのか。指揮官が口にする連覇へのキーワード「新戦力」という部分では、昨秋に長打力を買われて支配下登録された2年目の野口恭佑や、豊田寛が、打線の救世主となれるかにも期待がかかっている。

 もっとも、盤石に見える投手陣も誤算がないわけではない。開幕ローテーションの一員だった青柳晃洋、伊藤将司が不振で現在は再調整中だ。ファン投票でオールスターに選出された才木浩人が8勝と獅子奮迅の活躍でけん引しているものの、8年目の右腕はシーズン通してローテーションを回った経験はなく、後半戦は未知数だ。

 また、2軍ではブレーク候補だった高卒2年目左腕・門別啓人は3回6失点で降板した5月3日のジャイアンツ戦以降は1軍マウンドからは遠ざかる。やや手薄になっている先発陣にあって青柳、伊藤将、門別の再昇格はもちろん、“秘密兵器”となり得るのが、高橋遥人の復活だ。

 昨年、「左尺骨短縮術」および「左肩関節鏡視下クリーニング術」を受けた28歳は、今年4月17日の2軍戦で893日ぶりに実戦復帰。登板間隔を空けながらここまで順調なステップを踏み、7月20日に支配下登録へ返り咲いた。21年には100投球未満での完封を指す「マダックス」を含む2試合連続の完封勝利をマークするなど、エース級の潜在能力は誰もが知るところ。大きな故障明けで、無理は禁物ながら、勝負所の8、9月以降にスポット起用される可能性は十分にあり得る。

 前半戦を3カード連続の負け越しで終える4位ターンと、踏ん張りどころの阪神。実績組の逆襲か救世主の登場か――。後半戦の巻き返しへ、投打に起爆剤の出現が待たれる。





[取材・文:遠藤礼]

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