大谷翔平を牛耳った最高の5球 “MLB平均以下”だった阪神・才木浩人の直球が「メジャー級」と敵将ロバーツを唸らせた理由
なぜ名うての打者たちは翻弄されたのか。それはボールの回転数に起因する。『Baseball Savant』に記録された才木のフォーシームの平均回転数は2617回転/分。これは、昨季同球種を400球以上投げたメジャーの投手では全体3位に相当する“超高回転”である。これにより、いわゆるホップ成分の多い“浮き上がるボール”となり、打者が詰まらされたのである。
大谷との対戦でもボールはかなりキレていた。興味深かったのは高々と上がる中飛に打ち取った2打席目だ。
全6球のうち2球目のカットボールを除いた5球がフォーシームと力勝負を挑んだ才木だったのだが、なんと5球全てがメジャー平均を超える2700回転超え。球界屈指の強打者を相手に“真っ向勝負”ができ、そして打ち取れた証左であった。
才木のポテンシャルの高さには、米メディアも舌を巻く。試合を取材していた『The Athletic』のファビアン・アルダヤ記者は、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が「球は力強かったし、メジャーリーグ並みの実力がある」と認めたことを自身のXに投稿。その上で「阪神のヒロト・サイキは信じられないほどに印象的だった」と持論を記した。
強打者揃いのドジャース打線をねじ伏せた才木。レギュラーシーズンの開幕に向け、自信を深めたであろう右腕に期待せずにはいられない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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