最強の先発4本柱の一人がなぜ“余剰戦力”に? 米球団幹部が予測したド軍の衝撃トレード計画に米騒然「他球団には真似できない」

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ドジャースが誇る最強ローテ4人衆。大谷、山本、スネル、グラスノーはいずれも高いポテンシャルを有するが……(C)Getty Images

トレード拒否権が付帯しない「切り札」

 来季に球団史上となるワールドシリーズ3連覇に挑むドジャース。毎年のように大型補強を展開してきた“銀河系軍団”の強化に対する話題は、今オフも尽きない。

 ドラマチックな勝負に彩られた2025年シーズンが終わりを迎え、米球界はいよいよ移籍市場が活発化。各球団の補強動向がより積極的となり、高額契約が見込まれる大物FA選手を巡る交渉も始まっている。

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 そうした中で、球界を驚かせるトピックを提供したのが、米スポーツ専門局『ESPN』だ。MLB16球団の幹部に実施した独自アンケートの結果を踏まえたリポート内で、「グラスノーはトレード市場のダークホースだ」とし、ドジャースに所属する右腕がトレード要員となる可能性を示唆した。

 実績は申し分ない。現在32歳のタイラー・グラスノーは23年オフにトレードでドジャースへと入団。移籍と同時に5年1億3650万ドル(約212億9400万円)の契約を締結させ、中長期を見据えた戦力として先発ローテーションの軸に据えられた。

 もっとも、レイズ時代から故障癖を抱え、耐久面での不安を抱えるベテランの稼働率は決して高くはない。25年シーズンも6月に右肩の負傷で60日間の故障者リスト入りをするなど、1年を通してローテーションは守り切れず。ポストシーズンこそ6試合に登板して、防御率1.69、奪三振率10.55と圧巻の数字を残したものの、計算が経ちにくいのも事実ではある。

 そんなグラスノーにはトレード拒否権が付帯していないと報じられている。そのため、ドジャースが取引の見込めるうちに“切り札”として利用する可能性はゼロではない。球団の事情を知る『ESPN』の取材に応じた匿名の球界関係者は「ドジャースはオオタニ、ヤマモト、スネル、ササキ、シーハンを軸に据え、グラスノーをトレード市場要員として活用できる」と予測。トレードの内容次第では「放出もありうる」とした。

 とはいえ、グラスノーは、山本由伸、ブレーク・スネル、大谷翔平と並ぶ先発4本柱の一人。「体調が万全なら」という前置きは付くが、ポテンシャルは依然として球界屈指の水準にあると言っていい。いまだパフォーマンスの安定に課題を抱える佐々木朗希やエメット・シーハンら若手よりもデーブ・ロバーツ監督をはじめとする首脳陣の信頼は高いのは間違いない。

 それだけに匿名幹部が言い放つトレードが実現すれば、衝撃は必至だ。『ESPN』が発信したコメントを伝えた米メディア『The Sporting News』は「先発ローテーションの厚みを活かして他の穴を埋める決断をした場合、グラスノーが潜在的な“大穴トレード候補”として浮上する」と指摘。

 同じく米メディア『Clutch Points』は、「他球団を圧倒するスター布陣は、稀有な投手陣とロースターの安定をもたらす」と強調。現在の4本柱でも十分に戦えるとの見解を示した上で、こう続けている。

「ドジャースの“強み”こそが、まさにグラスノーをトレード交渉において『隠れた切り札』として準備する理由だ。それは彼の成績不振によって行われるわけではなく、ドジャースには、他球団には真似できない柔軟な動きを探る余地があるからだ」

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