UFC・髙阪剛「年末決戦は、まだ見ぬ最新鋭の総合格闘技が観られる」
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――前回同様、ジョーンズを追い込むことは可能だと。
髙阪●でも前回、逆転の判定負けを喫してしまったというのは、2ラウンド以降、ジョーンズが常にスタンドでプレッシャーをかけ続けたんですよ。そのプレッシャーの中で動き続けたから、グスタフソンは後半失速してしまったんだと思うんですよね。
――ジョーンズの圧力でスタミナを消耗してしまったわけですか。
髙阪●なぜ削られてしまうかと言えば、ジョーンズは「何をしてくるかわからない」ということが、絶対にあると思うんですよ。一つのカギとなったのがヒジ打ちなんですけど、ジョーンズはエルボーだけで、いろんな打ち方があるんですよね。タックルのフェイントからアッパーのようにヒジを入れたり、スピニングバックエルボーだったり、また組みにいって離れ側にヒジを入れたりとか。ああいうのをいちいち反応して、気をつけながら試合をすると、相手はどんどん疲れていくんです。
――なるほど。グスタフソンにしたら、あらゆる対応に追われて、息を整えられるような瞬間がほとんどなかったと。
髙阪●またジョーンズというのは、相手を撹乱する動きを続けながら、決め技もたくさん持ってるんですよ。スタンドのKOもあれば、グラウンドでの一本勝ちやパウンドアウトもあるし。スタンドのまま、彼にしかできないようなギロチンチョークで極めて勝つこともできる。あらゆる局面で試合を決めることができるので、これもまた、相手にとってはスタミナを奪われる要因になるんですよね。
——そうなると、グスタフソンが勝つにはどうしたらいいですか?
髙阪●今回も軸をずらしながら打撃を当てて、ジョーンズを追い込むことはできると思うんですよ。あとは、いかにその動きをいかにラウンドの後半までやり続けることができるか。グスタフソンの試合を見ていると、攻撃しているときはいいんですけど、ディフェンスとか、相手の攻撃を裁く動きが続くと失速してしまい、リカバリーがうまくできてないことが見受けられたんですね。だから、攻守のバランスをどこまで整えられるかもポイントになりますね。
――これでグスタフソンが勝てば、初めてジョーンズの牙城を崩した男になりますし。ジョーンズが勝てば、また最強の男として復権しますよね。
髙阪●ジョーンズが以前と同じか、もしくは上回る状態で帰ってきたら、またパウンド・フォー・パウンドが、ダニエル・コーミエ(現在、ヘビー級王者でパウンド・フォー・パウンドランキング1位)ではなくなるんじゃないですかね。ジョーンズという選手は、のちに総合格闘技のスタンダードになるような動きを、これまでいくつも提供してきたので評価も高い。「総合でこういう闘い方もできるのか」というものを、数多く見せてきましたから。
——総合格闘技の進化を早めてきた存在とも言えますよね。
髙阪●だから、今度のジョーンズvsグスタフソンは、ファンだけでなく、プロのファイターも注目していると思いますよ。まだ見ぬ、最新鋭の総合格闘技が観られるんじゃないかって、僕自身も期待しています!
[取材/文:堀江ガンツ]
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