「難攻不落の王者ウスマンに元柔術世界王者のバーンズが挑む!」髙阪剛が『UFC258』の見どころを語る

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ギルバード・バーンズ 写真:Getty Images

――そんな難攻不落のウスマンと、バーンズはどう戦うと思いますか?
「ウスマンを攻略するというのは、バーンズに限らず、本当に大変なことだと思うんですよ。それぐらい隙がないし、コンディショニングも素晴らしい。それを前提として自分の希望的なことを言わせてもらうと、バーンズは組まれたあと、逆にカウンターで寝技を仕掛けてほしいんです。というのもウスマンが、ハファエル・ドス・アンジョスと試合をしたとき(18年11月)、不完全ではありましたけど、下から腕を極めかけられているんです。結局、ウスマンは自分の身体能力でしのいで、スイープの形にもならなかったんですけど。もしかしたら、そこが一つの突破口になるんじゃないか、と思うんです。」

――バーンズには、下のポジションからのサブミッションを狙ってほしい、と。
「ウスマンは、テイクダウンを奪ってからのトップコントロールにはかなり自信を持っていて、『ここからは絶対に負けることはない』と確信しているフシがあるんですよ。逆に一番安心している状態で、『こうきたか!』というものが仕掛けられると、意外とモロいんじゃないか……という希望的観測になってしまうんですが(笑)。」

――穴がないウスマンも、それぐらいの穴はあってほしい(笑)。でも、それができるとしたら、柔術世界王者のバーンズなんじゃないかと。
「そこには可能性があるんじゃないかと思うんですよね。もし、自分がバーンズのチームの中にいて、そういう作戦でいくとしたら、2ラウンド目など早い段階でやりますね。後半になると削られて疲れるし、汗ですべることも考えられるので。1ラウンド目で極めるのは難しくても、2ラウンド目なら……。今回のマッチアップを考えると、『どうやったらウスマンを攻略できるか?』みたいな感じで、どうしてもバーンズ寄りの考えになってしまうんですけど(笑)。」

――それぐらい難攻不落な存在ということですね。
「あと、ウスマンもバーンズも、前王者タイロン・ウッドリーと対戦しているというのも、ひとつのポイントだと思いますね。ウッドリー戦で比べると、組みついて相手の光を消す戦いをしたウスマンに対し、バーンズはスタンドの打撃でアドバンテージを奪っているんですよね。」

――1ラウンドにダウンを奪って、KO寸前に追い込んでいます。ウッドリーもウスマンと同様に、元レスリングのトップ選手で守りが強い、いわば同タイプです。そういう選手に完勝しているのは、バーンズにとって精神的なアドバンテージにもなるんじゃないですか?
「ウッドリーに勝ったという実績は、ウスマン戦を前にすごく大きなことだと思いますね。バーンズは、あの試合で『自分の戦い方は間違ってないんだ』と確信したと思うんです。あのウッドリー戦をベースにして、ポイント、ポイントで攻勢点を取っていけば、可能性はあると思います。」

――ウスマンvsバーンズは、昨年7月に一度流れたことで、バーンズにとっては、より王者を研究することができたとも思います。
「だから長期政権を築こうとしている盤石なウスマンを、攻略できる選手がいるとしたら、バーンズかなと思いますね。ウェルター級の上位ランカーを見ても、他になかなか見当たらないですから。あるとすれば、注目株であるカムザット・チマエフ(現在ランキング15位)が、今後、ガンガン上がってきたら、わからないかなというくらいで。」

――では、ウスマンが本格的に長期政権を歩み出すのか、それともバーンズが新王者となって、ウェルター級が戦国時代となるのか。この階級の今後を大きく左右する試合になりそうですね。
「そう思います。また、バーンズはここでタイトルを逃すと、また次のタイトル戦まで順番が後ろに回されますから、本当に勝負ですよね。だから、バーンズがタイトル奪取のために、どんな戦いを仕掛けるのか、それによって王者ウスマンの新しい面が見られたりもするのか。自分も楽しみにしています!」





[取材/文・堀江ガンツ、写真・Getty Images]

◆◆WOWOW『UFC-究極格闘技-』放送スケジュール◆◆◆
『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC258 in ラスベガス ウェルター級王者ウスマン、3度目の防衛戦!』

2/14(日)午後0:00[WOWOWプライム]※生中継
(WOWOWオンデマンドで同時配信)

2/22(月)午前10:00[WOWOWライブ]※リピート
(WOWOWオンデマンドで同時配信)

【対戦カード】
ウェルター級タイトルマッチ/カマル・ウスマン vs ギルバート・バーンズ

【出演】
解説:髙坂剛、堀江ガンツ
実況:高柳謙一
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