岡田阪神の魅力はロマン砲だけではない 「ロマン腕」に「復活腕」次々と期待の戦力が出てくる背景とは
前川は積極的にアピールを続けている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
チーム初のリーグ連覇を狙う阪神が開幕に向け順調な調整を続けている。
2月20日に行われたサムスンとの練習試合(沖縄・宜野座)では「8番・左翼」で先発出場した前川右京が先制2ランをマーク。最初の紅白戦で4の4と強烈な印象を残した高卒3年目の左の大砲候補は実戦5試合で11打数7安打、打率・636と猛アピールを続けている。
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昨年も交流戦の時期に3番を任されるなど、その打力は岡田彰布監督もかねてから評価している。年間通してのコンディション維持が課題とされる中、まずは2024シーズンで開幕スタメンをもぎ取れるかが注目となっている。
またこの試合で存在感を示したのは前川だけではない。先発した育成左腕の川原陸は3回1安打無失点の好投を見せた。ピンチを迎える場面もあったが、落ち着いたマウンドさばきでサムスン打線を封じ込めた。186センチ、89キロと堂々とした体躯から勢いのあるボールを投げ込む。開幕までの調整が続くとあって、川原自身は今後は2軍での登板となる予定だが、監督が見守る〝御前試合〟で成長を示せたことは大きい。18年のドラフト5位入団。ケガもあり21年オフに育成契約となっているが、目指す支配下復帰もこの調子でいくとそう遠くない未来となりそうだ。
ほかにもこの試合では8回から登板した、中継ぎ右腕、岡留英貴もキレのある投球で1イニングを三者凡退に抑え、最速152キロもマーク。これで実戦3試合で4イニング連続無失点と抜群の安定感を示している。岡留といえば、昨年この時期に行われた練習試合で乱調、シーズンに入ってもわずか8試合登板と日本一軍団の輪に加われなかった。悔しさを胸に臨んでいるシーズンでは、こちらも分厚い救援陣に加われるように、着実に結果を積み上げている。