負けられない大一番で見せた小野寺太志の”会心ブロック” 「ミドルブロッカーが課題」とは、もう言わせない【パリ五輪】

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 当然石川に対しての警戒が厚かったこともあるが、いかに相手に絞られにくい状況をつくり、より多く得点を取るか。そのために多彩な攻撃は不可欠で、その鍵になるのがミドルブロッカーでもある。セッターの関田誠大がミドルブロッカーを使う攻撃を得意とすることもあり、本数を増やし、決定力を上げることは日本にとって不可欠な課題と考えられてきた。

 もちろん攻撃だけでなく、ブロックも同じだ。東京オリンピックや、2022年の世界選手権、さらに昨年のパリオリンピック出場権のかかったワールドカップ、敗れたエジプト戦では相手の攻撃を何本もブロックに当てられて弾かれた。複雑な攻撃ではなく、高いトスを高いところから打つシンプルな攻撃の連発だっただけに、なぜあれほどブロックが弾かれるのか、と思わされた人も少なくないはずだ。

 ブロックといえばやはりミドルブロッカーが要になるのは言うまでもない。パリオリンピックに向けてもブロック力を強化し、セッター関田とのコンビをより強固にする。その成果を最高の形で発揮したのが小野寺だった。

 中学までは野球部に入り、ピッチャーとしても活躍した。そのまま野球の道に進む選択もあった中、2メートルの高さを買われ、中学3年の大会を終えてからバレーボールに転向した。東海大学入学後に日本代表にも選ばれ、アウトサイドヒッターにも挑戦した器用な選手だが、その器用さも小野寺の武器で、野球で鍛えた運動量もラリーが続いた場面で繰り返しブロックに飛び、攻撃に入る強さにもつながっている。

 次戦は日本時間8月3日未明に行われるアメリカ戦だ。世界屈指のスパイカーが揃うアメリカだが、アーロン・ラッセルやトーマス・ジェスキーといったアウトサイドヒッターの選手たちは、昨シーズンまで日本でプレーしていた選手で、サントリーでVリーグを制した小野寺ももちろん対戦している。きっと日本の壁となり、そびえ立つはずだ。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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