崖っぷちの第3セットで「ゲームチェンジャー」になった大塚達宣 落選をも覚悟した男が石川祐希に代わって出場したワケ【パリ五輪】
チームが勝利するのは喜ばしい一方、同じポジションの大塚にとって焦りがないはずがない。一時は落選をも覚悟したという争いの中、ターニングポイントになったのが福岡でのポーランド戦だ。
連戦が続く中、日本よりランキングが上位のポーランド戦はそれまでスタメンでの出場が少ない選手たちがスタートから出場、セッターの関田誠大も下腿部に痛みが生じ、検査のために一時離脱。B代表から大宅真樹が招集された。
選手たちにとって生き残りをかけた一戦、アウトサイドヒッターは富田と甲斐優斗がスタートで出場したが、富田に代わって大塚が投入された。「とにかく流れを変えること、チームを鼓舞することを心がけた」という大塚のプレーや周囲への声かけ、献身的な働きかけは強い印象を残した。試合には敗れたが、続くフィリピンラウンドで髙橋藍がケガで離脱すると、再びスタメンに起用され、ファイナルラウンドにも出場。決勝の舞台も経験し、自信を重ねた。アメリカ戦は、まさにその経験が発揮された試合でもあった。
苦しみながらも予選を突破し、目標に掲げる金メダル獲得へ向け、5日に行われる準々決勝に臨む。勝ち残った8強がすべてをかけてぶつかり合う戦いで、いかに冷静にプレーし、周囲を勇気づけることができるか。日本に勝利をもたらす最強のゲームチェンジャーに注目したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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