日本代表の主将がリバプールで“レギュラーになれない理由” 名門で遠藤航に課せられた課題【現地発】
「遠藤は試合を変えられるような選手ではない」
日本代表で絶対的レギュラーとなっている遠藤。しかし、リバプールではそこまでの存在になりきれていない。(C)Getty Images
さらに先発フル出場を飾ったブレントフォード戦後には、リバプールのファンサイトで最も人気のある『This is Anfield』で、サポーターのサム・ミルン氏とオリバー・フレッチャー氏もこう触れている。
「安価で獲得できた選手だから批判をする気は毛頭ないが、遠藤は試合を変えられるような選手ではない。ただ格下相手の試合で、レギュラー陣を休ませるためのスカッドプレーヤーとしては使い勝手が良いと思う。だけど我々はリバプールFCなのだから、“仕事をできる”程度の選手を獲得するべきではないと思う」(フレッチャー氏)
「ボールを素早く動かせるし、クレバーなパスも持っているから、スカッドプレーヤーとしてのポテンシャルは十分あると思う。だけどオリバー同様に、彼はファンやクラブが求めていたファビーニョにとって代わる選手では決してない」(ミルン氏)
このように辛辣な意見が多いのは確かで、スポーツデータ提供会社『OPTA』などで活躍するアナリストのサム・マグワイア氏もブレントフォード戦後に「スカッドプレーヤーに適している」と結論付けている。
彼は「ブレントフォード戦の遠藤は、前後半でまるで違った。前半はスピード不足が顕著だったが、試合途中から、次第に改善されていった」とリバプールの専門サイト『Anfield Watch』に記している。
「アンカーとしては“OKレベル”のプレーだ。スタッツを見ても、あまり良いものではない。デュエルで勝ったのは1回のみで、空中戦も5回のうち2回だけ勝っただけ。ファウルは4回、イエローカードになるべきだった悪いファウルもあった。ドリブルで抜かれた場面は2度あり、トランジションの時にもスピードのなさが目立った。タックル成功は1回、パス成功率は86パーセントだった」
厳しい内容が続いた。しかし、遠藤のパスレンジと安定した守備力については「ボールを上手に回していた。目立ったパスをするわけではないが、ポゼッションをしっかりキープして、先制点を狙おうと、積極的に敵陣でボールを動かすことができた」とポジティブな評価も下している。
「そんななかでクロップ監督が褒めていたのが、試合終了間際の場面。遠藤はバックポストで、ヘディングでクリアして、チームのクリーンシートを死守した。3点リードしている場面で1点献上しようが試合は変わらないが、この時に集中力を切らさずにしっかりと守備をできるのが遠藤の長所。これだけでレギュラーになれるかといったらそうではないが、スカッドプレーヤーとしてはチームに役立つことを証明した。まだまだ改善しなくてはいけない部分も多いが、リバプールでプレーできるレベルの選手と証明した」