日本代表の主将がリバプールで“レギュラーになれない理由” 名門で遠藤航に課せられた課題【現地発】

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リバプールでポジション争いを続ける遠藤。現地での評価はシビアだ。(C)Getty Images

「日本代表の主将、遠藤航はリバプールでレギュラーを勝ち取ることができるのか?」

 編集部から受けた依頼は、端的にいえば、そういった内容だった。引き受けるか否かに迷った案件である。なぜなら、おそらく筆者はネガティブなことを書いたうえで「勝ち取れない」と、結論づけしてしまいそうだったからだ。

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 しかし、最終的に引き受けた。理由は、発注後から幸か不幸か(!?)、遠藤の出場時間が少しずつ増加。プレーを見る機会が増えていたからである。遠藤は先月26日のヨーロッパリーグ(EL)のトゥールーズ戦で移籍後初得点を決め、現地時間11月12日に行われたブレントフォード戦でもプレミアリーグでは自身初となる先発フル出場も果たした。

 直近の結果だけを見れば、風向きは30歳の新人に傾きつつあるように思える。だが、プレータイムの増加により、遠藤のストロングポイントよりもウイークポイントが目立ち始め、置かれている立場がより鮮明になったのも確かだった。

 10月上旬だった。『The Athletic』のリバプール番で、懇意にしているジェームズ・ピアース記者と話す機会があった。彼は正真正銘のスカウサー(リバプール出身者の呼称)で、筋金入りのリバプール・ファンでもある。だからこそ、レッズ(リバプールの愛称)でプレーする選手に対する評価は総じて厳しめだ。

 それだけに、彼が遠藤について「少し時間を要するだろうが、プレミアリーグのスピードに慣れてきたら定期的に試合に出場するチャンスはあるのではないか」と言ったのには少し驚いた。

 昨年までは、日本人に対しても厳しかった。当時レッズに在籍していた南野拓実(現モナコ)について聞くと、「もう少しチャンスが与えられれば仕事をするかもしれない」というのが、ピアース記者の常套句だった。そこからさらに掘り下げると、笑いながら「厳しいだろうなあ」という本音を付け加えるのが、お決まりのパターンだった。

 しかし、そんなピアース記者が遠藤の場合には「見込みがある」と判断していた。だが、彼と同様に、リバプール関連のメディアやファンサイトにおける現時点での遠藤評は「スピードについていけていない」というのが圧倒的に占めている。

 英公共放送『BBC』のラジオ・マージーサイドのDJで、熱烈なリバプール・ファンのポール・ソルト氏も厳しい評価を下すうちの一人だ。リバプールFC専門のポッドキャスト『The Red Kop』では、次のように述べている。

「遠藤は半ヤード程度のスピードが足りない。彼にはプレミアのサッカーが速すぎるようだ。ブレントフォード戦だけの話をしているのではなく、彼のプレーを見るたびにそう感じる。懸念事項なのは確かだ。

 プレミアリーグには遠藤は遅すぎるように映るし、言い換えれば、このリーグのペースは遠藤には速すぎるんだ。タックルも正確性を欠くが、もしかしたらそれはスピード不足が要因かもしれない」

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