原巨人は「第2回WBC補強」? 野球で日本が一つになった10年前を振り返る
ナカジの笑顔に女性ファン急増
前年、渡辺久信監督が就任1年目の西武を日本一に導いた立役者の中島でしたが、日本代表では攻撃的な2番打者を務めました。
常時30%を超える視聴率をたたき出したということは、普段野球の試合を見ないライトな層も観戦するということ。そして、女性を中心にナカジ人気が爆発します。
大会後の西武ドームには中島や片岡易之(現・治大)らイケメン目当ての女性ファンが押し寄せるようになり、雰囲気が大きく変わることになります。日本代表で自身のブランド力を高め、所属チームに還元した好例と言えるかもしれません。
何試合やるんだ日韓戦
運営方式が複雑なこともありますが、この大会だけで宿敵・韓国とは5試合を戦いました。決勝は2勝2敗で迎えただけに、両国の国民はともにエキサイト。ドジャー・スタジアムには5万4000人もの大観衆が訪れることになります。
そして不振のイチローが延長10回に2点打を放ち、侍ジャパンが2連覇という日本にとっては最高のハッピーエンドを迎えます。
4月1日には麻生太郎首相が韓国の李明博大統領(ともに当時)と会談し、李大統領がWBCでの日本の連覇を祝福する一幕もありました。麻生首相が「3勝2敗で勝たせてもらいました」と笑顔で語りかけ、李大統領もガッチリ握手。今でも常にバチバチな日韓関係ですが、試合前と試合中はヒートアップし、終わってからはノーサイドにできるなら、野球はまさに平和の象徴と言えるでしょう。
イチローが胃潰瘍に
決勝では日本中を狂喜乱舞させたイチローでしたが、不振の中で重圧は大きかったのでしょう。公式戦開幕を目前に体調を崩し、胃潰瘍のためメジャー9年目で初めてDL入り。開幕から8試合を欠場しました。
しかしこの年の背番号51は輝きを放ち続けます。4月16日に張本勲の日本プロ野球記録を超える日米通算3085安打をマーク。9月にはメジャー史上初の9年連続200安打を達成するのです。
そんな天才安打製造機も体調を崩したわけですから、国際大会のプレッシャーがいかに過酷であるかが分かりますね。
他にも「クローザー・ダルビッシュ」や「ノムさんVS城島、場外舌戦バトル」など見所満載だったこの大会。原監督にとっても名将の仲間入りをする思い出深い大会だったようです。そしてこの年、勢いのままに原巨人は日本一に躍り出ます。
あれから10年。岩隈や中島は原監督の胴上げに貢献することができるでしょうか。注目しましょう。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]