男子バレーが成長した”もうひとつ”の理由 石川祐希が象徴する「時代」の変化とは

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 チームメイトに各国代表選手がいるのは当たり前で、対戦相手も世界トップ選手ばかり。磨かれた技や知識、メンタルを日本代表としても披露する。これ以上ない“世界”を見せる石川の存在は、大きな影響を与えたと言っても過言ではないはずだ。実際に石川と同様に日体大在学中の髙橋藍も2021年の東京五輪を終えた同年12月からパドヴァへ渡り、昨シーズンは開幕から閉幕までイタリアで1シーズンを戦い抜いた。

 海外へ渡ったのは石川と髙橋藍だけでなく、昨シーズンは宮浦健人がポーランドのニサ、西田有志が一昨年はイタリアのヴィーヴォ、同じく関田誠大もポーランドのルビンへ。西田と関田はVリーグでプレーしながら社員選手としてではなく、プロ選手としての道を選択している。海外でプレーこそしていないが、小野寺太志や山本智大、小川智大などかつては少数だったプロ選手が、今では代表でも多数を占めるようになった。

 もちろんプロになることだけが正解というわけではない。どの環境であろうと、自身の長所をアピールしポジションをつかみ取る。日々競争の繰り返しで、周囲の意識が高ければ高いほど引き上げられるのも確かだ。だが間違いなく言えるのは、プロの世界は一見すれば華やかに映る一方、すべて結果次第。ダメならば容赦なく切られ、責任を背負うのは自分だ。海外のプロ選手たちが自身のキャリアアップに向けて、闘志をむき出しにぶつかり合う姿を目の当たりにすれば、自ずと意識は変わる。そしてそのメンタリティが日本代表にも還元されているのは確かだ。

 チャレンジを恐れず、新たな場所へ飛び込む。そんな「個」の強さが集まるチームへと成長、進化を遂げた。時代は、確実に変わり始めている。





[文●田中夕子(フリーライター)]

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