プロ野球選手はなぜタバコを吸うのか?

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疲労回復や故障防止の観点でも禁煙した方が良いのは明らか


 「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回は「プロ野球選手とタバコ」についてお話させて頂きます。

 私はロッテ、ヤクルト、DeNAでコンディショニングコーディネーターとして活動してきましたが、プロ野球は喫煙している選手の割合が他競技と比べても多いのは事実です。タバコは有毒で習慣性の強いニコチンが含まれているため、習慣化すると、活性酸素の大量発生やビタミンCの破壊と欠如、血管収縮などの影響で体が疲れやすくなってしまいます。喫煙家の選手たちもそのリスクは理解していますが、タバコをやめられないのはストレス解消の手段になっている側面があるからです。試合中にタバコを吸うことも珍しくありません。守備の時間が終わるとベンチに引き上げて一服して頭を整理する時間にして、気持ちを切り替えているのです。

 ただプロ野球界の伝統とも言える「タバコ文化」の風潮も変化しつつあります。DeNAは球団創設初年度から新人選手に、「持久力の低下」「運動機能の低下」のリスクなどタバコの害を説明した上で禁煙を徹底しています。DeNAから入団した選手たちはタバコを吸う習慣がありません。長いシーズン、野球人生を考えて疲労回復や故障防止の観点でも禁煙した方が良いのは明らかです。各球団のフロント及びトレーナー陣も喫煙による弊害を新人合同自主トレの期間やシーズンを通じて選手たちに訴え続けている実情もありますが、最終的な判断は各個人に一任している現状です。

 将来を担う子供たちへの影響もプロのアスリートとして考慮し、責任を持った行動をとってもらいたいと思います。球界のみならず、スポーツ界全体にこの禁煙の流れが浸透するか個人的に注目してます。

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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません

[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]





高橋 純一(たかはし・じゅんいち)

高橋 純一

MLBサンディエゴパドレスで通訳兼コンディショニング補佐を務めた後、千葉ロッテマリーンズ、ヤクルトスワローズ、DeNAベイスターズファーム等でチーフトレーナーとして活動。17年より独立。幅広いストレングス&コンディショニング領域をアレンジ、シンプル化させ、「俺、最高。」「やってみるをかなえる。」をキーワードに老若男女問わず、自分の肉体の可能性を高め、向上していくサポートを行う。コーポレートコンディショニングという企業のトレーニング意識を変えるコーチングも担う。

J.T. STRENGTH & CONDITIONING コーポレートサイト(http://www.jt-sc.com)

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