野球指導から暴力が消えない理由 「負の遺産」から脱却を

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「笑顔なきセンバツ発表」でした。

 1月27日に行われたセンバツ高校野球の選考委員会。その場で代表校に選ばれた昨秋の東京大会優勝校・東海大菅生のナインです。「文春オンライン」の報道によって明らかになった監督の体罰。その結果、学校側は監督と部長を解任することで、「体罰は許さない」という意思を強くアピールしました。

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 スポーツ紙のアマチュア担当記者は言います。

「現実問題として高校野球の指導現場から体罰は減っています。コンプライアンス順守という世の中の流れもそうだし、生徒たちがスマホでの録画やSNSでの拡散といった“反撃ツール”を持ったことも大きい。元来、体罰は法律で禁止されているし、これが明るみに出ると指導者は職を失い、家族は路頭に迷う。それでも『今の自分がいるのは厳しい体罰を受けたおかげ』との思いから生徒に手を出す旧来型の指導者は絶滅せず、まだ一定数います」

 本来、スポーツは楽しいもののはず。なぜ日本ではその現場に「体罰」が導入されたのでしょうか。そこには旧日本軍の影響が大きいと、前述の記者は言います。

 「明治時代にスポーツは日本にもたらされましたが、欧米では『娯楽』『気晴らし』だったスポーツが、武士道精神と結合して『鍛錬』という側面が強調されていきます。戦争に突入する際、これが『強い軍人を育成する』という目的とリンクしていく。少年野球や高校野球で『指導者への絶対的な服従』が前提となるのは、その名残でしょう。戦後は旧日本軍の兵隊さんが復員し、指導者になった。そして軍隊方式の殴る、蹴るでチームを統率しようとした。『練習中に水を飲むな』は戦地経験者ならではの発想ですよ」

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