遠藤保仁が日本サッカーに残したレガシー 独自の感性を持つ“ヤット”に期待される指導者像
遠藤のようなタイプは、経営者でいうと一代限りで、たぶんタイプが似ても同じ選手は出てこない。遠藤2世云々語るのもナンセンス。そもそもマネしたところでできっこない。ただ、学ぶことはできる。そういう意味ではガンバの選手は、大きなチャンスを得た。遠藤が何を見て、何を感じてプレーしていたのか、それを聞くだけでもプレイヤーとして成長できる。個人的には、ガンバだけではなく、いずれユース世代や代表クラスのコーチとしても、自分が見ていた世界を指導していってほしい。
今の流れでいえば、いずれガンバの監督になるのだろうが、遠藤自身は05年、ガンバが初優勝した頃から監督業への意欲を示していた。オシムのトレーニングを目の当たりにして、「選手に刺激を与え、成長させていくのがトレーニング」と語り、マンネリ化しがちなクラブの練習のメニューの在り方についても持論を持っていた。
ただ、指導者になれば、時には非情な采配や厳しいことを伝えていく必要がある。基本的に温厚で、表面的に熱くならない性格だが、ここぞという時、あるいはチーム状態が落ちた時、選手にどういう感じで声掛けをして、選手のモチベーションを上げていくのか。
でも、きっと選手時代と変わらず、冷静に、急所を的確に指摘するスタイルの指導になりそうだ。遠藤は、かつてオシムさんを「鋭い、怖い、でも深い愛情がある」と評してリスペクトしていたが果たして自らは、どういう指導者になるのか、楽しみだ。
[文:佐藤俊]
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