なぜ山本由伸は“史上最高額の投手”なのか ド軍同僚が証言する日本からやってきた怪腕の価値「甘く見ている連中が多すぎる」

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ワールドシリーズでMVPに輝き、ドジャースの連覇に大きく貢献した山本(C)Getty Images

「あいつはかなりの批判を受けたんだ」

 今秋に行われたメジャーリーグのポストシーズンで異彩を放った山本由伸(ドジャース)。ワールドシリーズで実現させた“中0日”登板も含めて異例づくめだったパフォーマンスは、世間の耳目を集めた。そして、同時に仲間たちの心を強く刺激していた。

【動画】冴えるスプリット!山本由伸がピンチを脱してうなずきながらマウンドを降りる

 まさに伝説的なピッチングだった。ポストシーズンを通して6試合に登板した山本は、計37.1イニングを消化。防御率1.45、被打率.174、WHIP0.78の支配力を発揮し、球団史上初のワールドシリーズ連覇の立役者となった。

 とりわけワールドシリーズでのパフォーマンスは圧巻。第2戦と第6戦に先発して計201球を投げていたにもかかわらず、勝てば優勝が決まる第7戦に、なんと“中0日”で9回からリリーフ登板。見事に3回を無失点で切り抜ける異次元の投球を披露していた。

 球界はもちろん、お茶の間にも一大フィーバーを巻き起こした27歳の才覚は、苦楽を共にした同僚たちも目を丸くする。

「球威で打者をねじ伏せるタイプなんだけど、繊細なんだ。ほぼグレッグ・マダックスと同じぐらいのコマンドを持ってる。それぐらいに制球力も抜群なんだ。俺はそこがヤマが『特別な男だ』と思うところだ。」

 MLB通算355勝を挙げたレジェンドになぞらえながら証言するのは、シーズン終了後にドジャースからFAとなったキケ・ヘルナンデスだ。

 入団1年目から「地球上で最高の投手の一人だ」と山本を評価し、舞台裏でメンターとしての役割を担っていた34歳は、メジャーリーガーのアダム・オッタビーノが司会を務める米ポッドキャスト番組『Baseball&Coffee』に出演。そこで山本の特大のポテンシャルについて熱弁を振るった。

「もちろん日本にいた時から名前そのものは知られていたけど、実際にどれだけの実力があるかは深く知られていなかった。だからMLBで1球も投げていないのに3億2500万ドルもの契約をもらったことで、あいつはかなりの批判を受けたんだ。

 そういう中で誰もが忘れてしまうんだよ。彼がどれだけ若い投手かってことをね。今の球界で24とか25歳ってめちゃくちゃ若いよ。本当にまだまだこれからって感じだ。それなのにMLBでやっているという凄さはあまり語られない」

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