15勝以上で防御率は2点台?新人の山本由伸がクリアすべきノルマと、最も大切にすべきものとは
では防御率はどうだろう。ルーキー日本人投手の最優秀防御率は、1995年野茂の2・54。次いで2014年田中の2・77、今季の千賀の2・98となる。ここは千賀の数字が一つのラインとなろう。千賀は1年前、5年総額7500万ドル(約107億円)でメッツに加入。当時からメディカルチェックで右肘への懸念が指摘されたため、契約総額が想定より抑えられたと指摘されていた。実際、今回の山本の契約とは大きな開きがある。それでもシーズンではその健康面への不安を払拭した。防御率2・98は、ブレーク・スネル(パドレス)の2・25に次ぐリーグ2位の堂々の数字。防御率2点台ならばリーグ3傑に入る可能性があり、そこが目指すべきターゲットといえる。
もっとも山本は契約年数の長さと、契約総額の大きさがフォーカスされているが、1年あたりの平均年俸は2708万ドル(約38億円)。歴代の投手では現在のマックス・シャーザー(レンジャーズ)とジャスティン・バーランダー(アストロズ)の4333万ドルや、ゲリット・コール(ヤンキース)の3600万ドルなどには遠く及ばない。今季はDeNAでプレーしたトレバー・バウアーも最後の3年契約は平均年俸3400万ドルだった。選手の評価として最も重視すべきポイントが平均年俸であり、山本は6年目と8年目のオフに契約破棄できるオプトアウト権を有することで、数年実績を積み上げてさらに大きな契約を狙うことができる。全米の注目と期待を意識し過ぎることなく、まずは地に足を着けてメジャーリーグベースボールへの適応を進めていくことが、この巨額契約を全うする上で最も大事なこととなる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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