【PR】絶えず学び、次へつなぐ指導論 平石洋介が語る「人に学び、人に生かす」野球人生
平石洋介氏が、自身の野球人生と指導者としての経験を振り返りながら、「人との出会いから何を学び、それをどう次に生かすか」をテーマにまとめた一冊だ。
PL学園で主将を務め、同志社大、社会人野球を経て楽天へ。現役時代は華々しい成績とは言えなかったが、引退後にコーチ、監督として頭角を現した。楽天監督、ソフトバンク、西武での経験を通して、名将たちから受けた教えや、選手への向き合い方を丁寧に綴っている。
中でも印象的なのは、楽天在籍時代に星野仙一監督へ自ら意見を進言したエピソードだろう。ある試合で、作戦上バントが選択されようとしていたが、平石氏は「代走を使ったほうが勝利の確率が高い」と感じ、思い切って意見を述べた。若手コーチの提案は即座に採用され、結果は成功。試合後、星野監督から「自分の考えを持っているやつはいい」と声をかけられ、食事に誘われたという。そこから信頼関係が生まれ、指導者としての視点と覚悟を大きく育てるきっかけとなった。
本書は、成功哲学の押しつけではなく、出会いと学びを「次の誰かへ渡す」姿勢が一貫している点が特徴だ。星野仙一、野村克也、工藤公康ら名将とのエピソードも多く、リーダー論としても読み応えがある。
野球ファンだけでなく、監督・コーチ、組織の管理職、教育者にも響く内容であり、「人に学び、人に生かす」というシンプルな言葉の重みを実感できる一冊だ。
【著者プロフィール】
平石洋介(ひらいし・ようすけ)
1980年4月23日大分県出身。野球指導者・解説者。高校時代を名門PL学園で過ごし、3年時には主将として甲子園に出場。2004年ドラフト7位で楽天に入団。19年に監督に就任。クライマックスシリーズ進出を果たすも退任。20年から2年間はソフトバンクのコーチ、22年は西武の打撃コーチとなり、23年に西武のヘッドコーチに就任。24年限りで退団した。





