新庄ハム 4年目シーズンへの”キーマン” 「打てる捕手」の完成形に シーズン1軍完走を果たした男のプレーバック
打撃面での活躍が目立った田宮だったが、”本職”でもしっかり仕事を果たした。6月12日の中日戦ではバッテリーを組んだ先発・伊藤大海を好リード、「マダックス」完封への御膳立てを果たした。
6月には一時首位打者や、打率4割超えと快進撃を果たした田宮も夏場に入ると、少しずつ状態を落としていく。7月16日の楽天戦では試合途中から出場すると、延長10回にサヨナラ適時打をマークし、プロ6年目にして夢の球宴に初めての選出を果たしたことも話題を呼んだ。
しかし後半戦に入るとキャリアのある伏見寅威が先発マスクをかぶる機会が増えていった。「打てる捕手」として、鮮烈な印象を残した田宮も、7月の月間打率は「.195」、8月は「.206」とトンネルを抜け出せない日々が続いた。
それでも新庄監督はファームで調整させることはなかった。緊張感ある試合を見て、1軍で生き残っていく技術を学んでほしいという親心もあったのだろう。田宮は紆余曲折もありながら、自身初めてシーズン1軍完走を果たした。
規定打席こそ届かなかったものの、今季は109試合に出場、打率「.277」、3本塁打、30打点、10盗塁と昨年の10試合出場から大きく活躍の場を拡げ、キャリアハイをマーク。チーム捕手陣では最多の81試合で先発マスクを被り、盗塁阻止率はリーグ2位の「.367」と攻守にわたり大きく飛躍した年となった。
走攻守3拍子揃った、これまでの球界では珍しい、躍動感あるニュータイプの捕手。この経験を元に来季は扇の要としてどんな活躍を見せてくれるのか。背番号64の成長に引き続き、高い注目が集まりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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