ドラフト最速右腕、中村優斗の将来像は? 重なるのは平良海馬 スピードと制球力に”肉付け”が必要か

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中村のポテンシャルは確か。プロ入り後に”肉付け”して、さらなるスケールアップを図りたい(C)産経新聞社

 今年のドラフト候補で、ストレートの速さでナンバーワンと言えるのが愛知工業大の中村優斗だ。長崎、諫早農時代は全国的には無名の存在だったものの、大学では1年春から先発の一角に定着。2年には早くも150キロを超えるストレートを投げるまでに成長した。

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 大学生投手の場合、下級生でブレイクすると上級生では疲れや相手チームからのマークもあって少し勢いが落ちるというケースも多いが、中村の凄さは年々しっかりスケールアップしているという点だ。

 昨年12月に行われた大学日本代表候補合宿の紅白戦ではシーズンオフにもかかわらず157キロをマークすると、今年春のリーグ戦では最速159キロまで数字を伸ばしている。スピードガンの数字は球場によって異なり、絶対的なものではないが、中村の場合は今シーズン登板した試合では常に155キロ前後をコンスタントに記録しており、ここまでのスピードボールを安定して投げられるアマチュア選手は他にはいない。また1年春から4年秋まで大きな故障がなく、長期離脱することなく投げ続けてきたという点も高い評価の一因と言えるだろう。

 スピードが紹介されることが多い中村だが、コントロールに関しても四死球は1試合(9イニング換算)あたり約2個しか許しておらず、鋭く変化するスライダー、フォークも操れるという点も大きな魅力である。

 ただその一方でリーグ戦の通算成績を見てみると10月8日終了時点で16勝18敗と負けが先行している。2年秋に0勝5敗と大きく負け越したことももちろん響いているが、最終学年もここまで春秋通算5勝5敗と貯金を作ることはできていない。もちろん勝ち負けは中村だけでなくチーム全体の問題もあり、愛知大学野球は全国的に見ても比較的レベルが高いリーグではあるものの、試合中盤に崩れるケースも多く、その点で物足りなさを感じるのも確かだ。

 勝ち切れない要因としては、フォームとボールの質が大きいのではないだろうか。軸足の右膝が折れるのが早く、投げ終わった後に身体が一塁側に流れることが多いため、特に右打者に対しては外角一辺倒になりやすい。走者を背負うとその傾向が顕著になり、スピードに目が慣れた中盤以降は打者が対応してくるシーンも目立つのだ。

 フォームのリズムも全体的に単調で、打者から見るとフォームとボールにギャップがないというのも、勝ち切れない要因と言えそうだ。また回転数などのスピード以外の指標では目立ったものはないという話も聞く。地方リーグでも圧倒的な結果を残せていないというのは、やはりそのあたりが課題と言えるだろう。

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