「無名」から「ドラ1候補」へのし上がった男 最速159キロ右腕、中村優斗が切り開いた道

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■「長く活躍できる選手に」

「侍ジャパン強化試合の登板はアドレナリンが出て本当に楽しく、貴重な経験ができました。この一年間は休む時間がなく、秋のリーグ戦の前でも結構、疲労が残ってキツかったので、コンディションやピッチングスタイルを考えて臨んでいます」

 忙しくも充実した大学ラストイヤーを経て、いよいよプロ入りの時が近づいてきた。

「自分としては力んで投げている感じはない中で、コントロールを乱さず、球威や球速のアベレージ、出力の高さが出せるところは持ち味の一つだと思っています。緩い変化球や牽制、フィールディングなども突き詰め、いつかはプロで先発したい気持ちもあります。ただ、まずはケガをせず1年間投げ続け、長くプロで活躍できる選手になりたいです」

 打者を圧倒するストレートは最速159キロ。上背は176cmで人並みだが、先発で常時150キロ台を維持する身体の力がある。四球を出さないコントロールも一級品。鋭いスライダー、フォークなども駆使し奪三振を量産する。

 プロとの対戦は、3月のソフトバンク3軍戦(6回3失点、7奪三振)と、8月の中日2軍戦(1回無失点、2奪三振)で経験がある。ソフトバンクの永井智浩スカウト部長が3月の段階で「変化球もいいものがあり、抑える形が確立されている。今すぐプロに連れていってもいいぐらいです」と話すなど、即戦力になれる資質が評価されている。

 身体の底から湧き出る上昇志向を原動力に、プロでも中村は大きくのし上がっていくはずだ。

[取材・文:尾関雄一朗]

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