糖尿病の治療 ― 食事・運動・薬で血糖をコントロールし、合併症を防ぐ
3. 治療の目的 ― 数値だけでなく「血管を守る」
糖尿病の怖さは、血糖そのものではなく合併症にあります。
治療の目的は「HbA1cを下げること」ではなく、血管・神経・臓器を守ることです。
代表的な合併症は「しめじ」:
・し:神経障害(しびれ、痛み)
・め:網膜症(視力低下)
・じ:腎症(腎機能低下)
さらに「えのき」:
・え:壊疽
・の:脳卒中
・き:狭心症・心筋梗塞
つまり、糖尿病治療は「全身の血管を守る治療」です。
4. 治療を成功させるためのポイント
1.早期発見・早期治療
初期であれば生活習慣の改善だけでもコントロール可能。
2.定期検査の継続
HbA1c・尿アルブミン・眼底検査などを年1回以上。
3.合併症を「見える化」
血管の状態を検査し、治療の目的を実感できるようにする。
まとめ
・糖尿病の治療は 食事・運動・薬の3本柱。
・目標は「血糖を下げること」ではなく「血管・臓器を守ること」。
参考文献
1.日本糖尿病学会. 『糖尿病診療ガイド2024-2025』
2.American Diabetes Association. Standards of Care in Diabetes 2024.
3.Davies MJ, et al. Management of hyperglycemia in type 2 diabetes, 2023. Diabetologia.
4.日本糖尿病学会. 合併症予防ガイドライン2023.
[文:池尻大橋せらクリニック院長 世良 泰]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
【関連記事】その症状、肝機能低下のサインかも!「肝臓」と「疲れ」のつながりについて
池尻大橋せらクリニック院長・世良 泰(せら やすし)
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人スポーツチームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。






