熱中症と日焼け対策
日焼けも「やけど」です
― 特に子どもの肌は注意 ―
意外と軽視されがちですが、日焼けは皮膚の炎症、つまり「熱傷=やけど」です。
強い紫外線を浴びると、肌のバリア機能が壊れ、体内の水分が奪われるだけでなく、深部体温も上昇しやすくなり、熱中症のリスクがさらに高まります。
◆ 運動する子どもに特に重要
・子どもの肌は薄く、ダメージを受けやすい
・炎症が強いと運動継続が難しくなることも
・強い日焼けは免疫機能にも影響するという報告もあります
◆ 日焼け対策は熱中症対策
・日焼け止めクリーム(SPF30以上、PA++以上)を2〜3時間ごとに再塗布
・帽子・アームカバー・ラッシュガードなどの着用
・屋外での休憩は必ず日陰でとるように心がけましょう
日焼け予防に「飲む日焼け止め」?
最近では、飲む日焼け止め(抗酸化サプリメント)も注目されています。
例えば、ポリポディウム・レウコトモス(PL)やアスタキサンチン、ビタミンC・Eなどの抗酸化成分を含むものがあり、紫外線による細胞ダメージの軽減が期待されています。もちろん、これだけで十分な効果が得られるわけではありませんが、
外用の対策+内服による補助的予防は、特にスポーツ選手や屋外での活動時間が長い方にとって有効です。
熱中症・日焼けになってしまったら
【熱中症】
・すぐに涼しい場所へ移動し、服を緩め、うちわや扇風機で体を冷やします
・首・脇の下・太ももの付け根などを冷却
・意識がある場合は水分・電解質を補給(経口補水液が理想)
・意識障害がある場合や自力で飲めない場合は、迷わず救急要請
【日焼け】
・まず冷やす(冷タオル・保冷剤など)
・水ぶくれがある場合は潰さず、早めに皮膚科を受診
・保湿剤で皮膚の回復をサポート
・強い痛み・熱感・腫れ・倦怠感が続く場合も早めの診察を
■ 最後に
熱中症も日焼けも、どちらも「防げる」ものです。
予防のための知識と行動が、健康だけでなくパフォーマンスを守ることにもつながります。
「頑張る体を、守る知識と行動を」
この夏も、安全に、楽しく、運動を続けていきましょう。
[文:池尻大橋せらクリニック院長 世良 泰]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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池尻大橋せらクリニック院長・世良 泰(せら やすし)
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人スポーツチームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。






