その手指の痛み、放置しないで!更年期の女性を襲うメノポハンドとは

「更年期の頃から、手指の痛みが気になっている」「指がこわばって動きにくい」などの困りごとはありませんか? これらのトラブルは、メノポハンド(メノポーザルハンド)と呼ばれる症状かもしれません。
エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少する更年期には、メノポハンドになる人が多くいます。手指の不調をがまんせず、適切にケアしましょう。今回はメノポハンドの原因や対処法などをご紹介します。
1.更年期に多いメノポハンドとは

メノポハンドの原因と、おもな症状を見ていきましょう。
1-1.メノポハンドの原因
メノポハンドのおもな原因は、エストロゲンの減少です(※1)。エストロゲンには関節や腱を保護する働きがあり、低下すると関節などに炎症が起こる場合があります。
更年期はホルモンバランスが変化してエストロゲンの分泌量が減るため、メノポハンドになりやすくなります。
1-2.メノポハンドによくある症状
メノポハンドは手指の症状を総称する言葉であり、指の関節が腫れたり変形したりする「ヘバーデン結節」や、指の曲げ伸ばしの際に引っかかる「ばね指」などが代表的な症状です。他にも、指の痛みやしびれ、こわばりなどを伴うことがあります。
未治療で放置していると炎症がひどくなり、7~10年程度で指が変形してしまうケースもあるので注意が必要です。
2.メノポハンドの対処法

メノポハンドの対処法を3つご紹介します。
2-1.ホルモン補充療法(HRT)
メノポハンドに対して、ホルモン補充療法(HRT)が行われる場合があります。更年期に欠乏するエストロゲンを内服薬や塗り薬などで補う治療法です。
関節の痛みやこわばりを予防する以外にも、ホルモン補充療法はホットフラッシュやイライラなど更年期の諸症状への効果が期待できます。
なお、ホルモン補充療法では吐き気や乳房の痛みなどが起こることがあり、気になる症状が見られたときは主治医に相談することが大切です。
2-2.エクオールを補う
メノポハンドのケアには、エストロゲンと似た構造を持つ「エクオール」も注目されています。大豆イソフラボン由来のエクオールは、更年期の女性に優しい健康成分のひとつです。
エクオールは大豆を食べると腸内細菌によって生成されますが、腸内に「エクオール産生菌」がいない人はエクオールを作れません。エクオール産生菌がいない場合は、健康食品から直接エクオールを摂り入れるのが有効です。
2-3.漢方薬を使用する
メノポハンドを含む更年期症状の治療には、自然由来の治療薬である漢方薬も活用されています。漢方薬は医薬品として効果が認められており、ホルモンバランスの乱れに加えて血流や自律神経も整えて、更年期の不調の根本的な解消を得意としています。
<更年期の不調におすすめの漢方薬>
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):貧血気味で、倦怠感や手足の冷えのある方におすすめです。栄養を補いながら血流をよくして、月経困難や更年期障害、冷えやむくみなどを改善します。
・加味逍遥散(かみしょうようさん):イライラやのぼせ感があり、疲れやすい方におすすめです。自律神経のバランスを整えて、ホットフラッシュや精神不安、不眠などを改善します。
症状や体質により適した漢方薬は異なるため、服用の際は専門家に相談しましょう。スマホひとつで相談から購入まで可能な、「あんしん漢方」などのオンラインサービスもおすすめです。