脂質異常症を改善するための方法 ― 生活習慣からできる実践ステップ
3. 体重管理
肥満、とくに内臓脂肪型肥満は脂質異常症の大きな要因です。
体重を 5〜10%減らすだけでも血中脂質は改善します。
・BMIは25未満を目標に
・腹囲:男性85cm未満、女性90cm未満を目安に
4. 禁煙・節酒
・禁煙:喫煙はHDLを下げ、動脈硬化を加速させます。禁煙は最優先の改善策です。
・節酒:アルコールは中性脂肪を上げやすいため、1日エタノール換算20g未満を目安に。
5. ストレス・睡眠習慣の改善
・睡眠不足は交感神経を刺激し、中性脂肪や血糖値の上昇につながります。
・ストレス対策には運動やリラックス法(深呼吸・ストレッチ)が効果的です。
6. 医療機関でできること
生活習慣改善だけでは十分でない場合、薬物療法が必要です。
代表的なのはスタチンですが、その他にもエゼチミブ、フィブラート、PCSK9阻害薬など選択肢があります(詳細は次回「脂質異常症の薬」で解説します)。
まとめ
・脂質異常症の改善には、食事・運動・体重管理・禁煙・節酒・睡眠改善が基本。
・自覚症状がないからこそ、検査と継続的な生活習慣改善が重要。
・池尻大橋せらクリニックでは、検査と生活指導を組み合わせた包括的なサポートを提供。
参考文献
1.日本動脈硬化学会. 『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022』
2.Grundy SM, et al. 2018 AHA/ACC Guideline on the Management of Blood Cholesterol. J Am Coll Cardiol. 2019
3.Cornelissen VA, Smart NA. Exercise training for blood lipids: a systematic review. J Am Heart Assoc. 2013
4.Pedersen BK, Saltin B. Exercise as therapy in chronic disease. Scand J Med Sci Sports. 2015
[文:池尻大橋せらクリニック院長 世良 泰]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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池尻大橋せらクリニック院長・世良 泰(せら やすし)
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人スポーツチームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。





