深夜の激痛回避!繰り返す「こむら返り」のセルフケア法
年齢が高くなるほど、夜中やスポーツ中に突然、ふくらはぎに痛みが走る、攣るなどが起こるのが「こむら返り」です。運動を始めた直後や終盤、寝ている間に起きやすく、あまりの痛みで動けなくなってしまうことがあります。こむら返りが起こる原因は何かを理解し、セルフケアをしましょう。
こむら返りは“痙攣”
こむら返りは、主にふくらはぎの筋肉が異常に収縮して、痙攣(けいれん)することで起こります。この痙攣はふくらはぎだけでなく、実は、足の裏や指、太ももなど体のどの部位でも発生する可能性があり、運動中や就寝中、妊娠中や加齢によっても起きやすくなります。こむら返りを起こすと、強い痛みを伴いますが、ほとんどの場合は数分間でおさまります。
“無意識”に筋肉が異常な収縮を起こす
ふくらはぎなどの筋肉は、過剰な伸びや収縮により、傷んでしまうことがあります。こうした筋肉への負荷を防ぐために、伸びすぎを防ぐ筋紡錘(きんぼうすい)、縮みすぎを防ぐゴルジ腱器官という、2つのセンサーが備わっています。そのうちの腱紡錘の働きが低下すると、“無意識”に筋肉が異常に収縮し、痙攣を起こします。これが「こむら返り」です。
カルシウムが多くなり、カリウムが少なくなる
筋肉の過剰な収縮を防ぐゴルジ腱器官の機能低下には、さまざまな原因が考えられますが、最も大きな原因は、ミネラルバランスの乱れといわれています。
ミネラルの代表格であるカルシウムやカリウムは、筋肉の収縮や神経の伝達をスムーズにする働きがあります。しかし、カルシウムが筋肉内に多くなると、筋肉は無意識に緊張しやすくなってしまいます。また、汗や脱水などによりカリウムが排出され、筋肉内のカリウムが少なくなっても筋肉は無意識に緊張してしまいます。
この2つのミネラルを調整しているのが、マグネシウムです。3つとも大切なミネラルですが、特にマグネシウムの不足はゴルジ腱器官の機能低下に大きな影響を与えるとされています。日本人に必要な摂取量は350mgほどで、海藻類に多く含まれています。