関節リウマチという症状をご存知ですか?
Q:関節リウマチで治療中です。メトトレキサートを使うことで、関節の腫れは落ち着いてきました。医師からも採血結果が良いと言われますが、「痛み」が十分に改善されません。何か良い方法はありますか?
メトトレキサートにより炎症状態が落ち着いたものの、関節の疼痛が残存する事があります。関節リウマチの痛みのコントロールに、NSAID(非ステロイド性消炎鎮痛薬)や、ステロイドの内服を併用して、痛みをコントロールする手術(滑膜切除術、人工関節置換術)を行う事があります。
また、最近では痛みのある部位に増殖した異常な血管を標的とした治療も、安全に受けられるようになっています。
Q:生物学的製剤(レミケード・エンブレル)を勧められています。使いたいけれど1ヶ月に7万円かかると言われました。一度使い始めたらずっと使わなくてはならないのでしょうか?
生物学的製剤によって寛解になった人は、生物学的製剤を止められる可能性があります。ですが、生物学的製剤で寛解状態が6か月以上続いた人が生物学的製剤を中止した場合、半分の患者さんは1年後も良い状態を維持していますが、残りの半分の患者さんは再燃してしまい症状がぶり返してしまうことが知られています。その場合、また生物学的製剤を再開することになってしまいます。つまり、効果が十分に出ていても必ず止められるとは言えないのが現実です。
Q:関節リウマチの人は寿命が短くなりますか?
関節リウマチでは多関節炎と関節破壊による関節機能障害、抑うつ、間質性肺炎などの臓器障害、感染症に代表される治療薬の副作用などがみられ、それらのために患者さんのQOL(Quality of Life)が低下することや、平均余命短縮の可能性も指摘されています。環境要因としては喫煙が関節リウマチの関節破壊の進行にも関連することが示されているので、禁煙するなども重要です。副作用ともうまく付き合いながら、上手に治療をしていくことが望ましいです。
Q:生物学的製剤は必ず効果がありますか?
関節リウマチに対する生物学的製剤が使われるようになって16年経過しようとしています。この間に使われるようになった生物学的製剤として、レミケード、エンブレル、アクテムラ、ヒュミラ、オレンシア、シンポニー、 シムジア、インフリキシマブBSの8種類が代表的です。これらはどれも有効性に大きな差はないとされており、どれも7割の患者さんに効果があるとされています。反対に言うと残りの3割の人には効果が期待できないということになります。このため「必ず効果がある」といえるものではありません。
Q:関節痛の症状が強くなりメトトレキサートが徐々に増量されています。副作用も心配です。生物学的製剤以外に関節痛の症状をコントロールするために良い方法はありますか?
仕方なくステロイドを使用する場合もあります。しかし、感染症を誘発するなどさまざまな副作用があるので、長く使えるものではないです。使う場合は、半年で止めるようにしています。
また、炎症を起こしている滑膜を取り除く手術や、軟骨が破壊されている場合は関節を固定する手術などがあります。関節の破壊が進んでいる場合は、人工関節に取り換える手術が行われることもあります。
また最近は関節リウマチで増えてしまった異常な血管が炎症と痛みを引き起こすことがわかっており、それに対するカテーテル治療も併用できる方法です。
[文:オクノクリニック | モヤモヤ血管による慢性痛治療]
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